バイデン大統領、サウジ皇太子のカショギ氏殺害承認は「言語道断」
Chris Strohm、Nick Wadhams-
サウジ皇太子がカショギ氏の殺害を承認したと判断、米報告書が結論
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サウジ政府は報告書の内容を全面的に否定する-サウジ外務省
サウジアラビアの反体制ジャーナリストで、米紙ワシントン・ポストのコラムニストだったジャマル・カショギ氏が殺害された事件で、同氏殺害をサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が承認していたとする報告書を米情報機関が26日に公開した。バイデン米大統領は同皇太子による殺害承認について、「言語道断だ」と指摘した。
バイデン大統領はユニビジョン・ニュースとのインタビューで、自分はサウジのサルマン国王に対し、サウジと米国の関係の「ルールは変わりつつあり」、「きょうと3月1日にわれわれは重要な変化を発表するつもりだ」と伝えたと述べた。
大統領はその上で、「私の就任後、速やかにわれわれはこの報告書を提出し、読み、理解し、きょう公表した。この出来事は言語道断だ」と語った。
米情報機関の報告書は「サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、トルコのイスタンブールでサウジのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏を拘束ないし殺害する作戦を承認したと、われわれは判断している」と結論付けた。
この報告書は、イスタンブールのサウジ総領事館で2018年10月にカショギ氏が殺害されて以後、米中央情報局(CIA)および他の機関が集めた機密情報に基づいている。
情報機関を統轄する国家情報長官室(DNI)がまとめた報告書の内容を公開する今回の決定は、人権問題でのサウジのこれまでの対応を巡り同国との関係を見直したいバイデン政権の決意を反映している。トランプ前政権下では公開が見送られていた。
サウジ外務省はこれを受け、カショギ氏殺害を巡る米報告書の内容をサウジ政府は全面的に否定すると発表した。国営サウジ通信(SPA)が報じた。

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が殺害を承認していたとする報告書に関するブルームバーグTVの報道
Source: Bloomberg)
原題:Biden Calls Saudi Prince’s Plot Against Khashoggi ‘Outrageous’(抜粋)
Saudi Crown Prince Approved Plan for Khashoggi Death, U.S. Finds(抜粋)
Saudi Government Rejects U.S. Report on Khashoggi Killing: SPA