日経平均1200円超の下落、金利急上昇を警戒-日銀総裁発言後に一段安
牧綾香-
米国債10年物利回りは一時1.6%台-国内長期金利も5年ぶり高水準
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東証1部銘柄の9割下落、スクリンH株など半導体関連が安い
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26日の東京株式相場は大幅に反落。日経平均株価は4%近く値下がりし、下落率は2020年4月1日以来約11カ月ぶりの大きさになった。米国債利回りの急上昇を受けて国内の長期金利も約5年ぶりの高水準を付け、半導体関連など成長株中心に売りが広がった。東証33業種の全てが下落した。
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〈きょうのポイント〉
日本株指数は午後の取引で下げ幅を拡大。日本銀行の黒田東彦総裁が衆院財政金融委員会で上場投資信託(ETF)の買い入れについて、現在の金融市場調節方針においても「十分にメリハリのある柔軟な買い入れができる」と見解を示した後に売りが膨らんだ。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、今月は日銀がTOPIXの下落率が0.5%以上となってもETFの購入を見送ってきている中で、改めてこれまでの購入スタンスが変わることが警戒されたという。市川氏は午後の一段安について、「今日も買い入れがないとみた投資家が一段と売りを出した」と説明した。
JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジストは、米10年債の利回りは年末くらいまでに1.5%程度の水準になるとみられていたが、「想定よりも速いペースで上昇したことを警戒している」と話した。
日経平均株価の予想変動率を示す日経平均ボラティリティーインデックス(VI)は30に近づいている。良好な景気指標を背景に経済の正常化への期待が高まると、金利の先高観は強まる。米FRB高官から金利上昇による景気への悪影響をけん制するような発言が出てくればいったん株価も落ち着くが、それまでは変動の大きい相場が続きそうだと前川氏は述べた。
