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ジャンク級企業が「グリーン」の旗手に-目的は借り入れコスト圧縮

  • 簡単な目標を設定して「グリーンウォッシング」をする企業も
  • 欧州のジャンク債企業のサステナビリティー連動債の発行は急増

プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社が所有するジャンク級(投機的格付け)の企業が借り入れコストを圧縮するためにESG(環境・社会・ガバナンス)テーマを利用している。債券投資家は惑わされないよう警戒している。

  SVPグローバルが保有するドイツのプラスチック包装メーカー、クロックナー・ペンタプラストはリサイクル材料の利用と女性幹部を増やすことを約束。同様にPE投資会社が保有するフランスの病院運営会社、エルサンは顧客満足度を高めることと廃棄物を減らすことを約束した。PAIパートナーズ傘下のユーロ・エスニック・フーズは店内で利用するフォークリフトに電動のものを増やす目標を掲げた。

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エルサンは顧客満足度を高めることと廃棄物を減らすことを約束

  このようなサステナビリティー目標の達成度に金利が連動する欧州ジャンク債企業の数は年初から2倍以上に増えた。利回りを追求する債券投資家も、発行企業のESG改善のために多少のリターンを犠牲にすることはいとわないものの、形ばかりの、あるいは低い目標を設定する企業には警戒している。

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  PGIMの欧州レバレッジドファイナンス責任者、ジョナサン・バトラー氏は、環境に配慮しているように表面的に取り繕う「グリーンウォッシング」がやや見られると指摘。「企業はどちらにしてもしなければならないことを行うことで、債券の条件を有利な水準に動かそうとしている。ESGのテーマを利用して借り入れコストを圧縮する狙いだ」と話した。

  金融業界は、気候変動や職場のジェンダー、人種の偏りなどESG関連の幅広い懸念を考慮に入れるよう政府、規制当局、投資家から圧力を受けている。このためファンドマネジャーらは現在、投資に際して利益を最大にすること以外の要素を考慮に入れる必要がある。

Future Friendly

Surge in European leveraged loans with interest tied to sustainability

Source: Bloomberg

Based on term loans sold to fund managers

  バトラー氏ら運用者は一方で、ESG目標にリンクされた条件設定が、必ずしもサステナビリティーを有意に高めることなく資金調達コストを低下させる「便利な」方法になることを懸念している。

  例えばクロックナーの場合、上級職の女性の割合を2ポイント増やして27%にする、包装事業に占めるリサイクル材料の割合を4ポイント増やして26%にする、二酸化炭素排出量を減らすという3つの目標を掲げ、達成できれば金利が7.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下するとしている。だが、これらの目標は「特に野心的」ではないと、トウェンティーフォー・アセット・マネジメントのアナリストのジョージ・カーティス氏はブログで指摘した。

  クロックナーのオーナーであるSVPグローバルの広報担当者は、クロックナーの目標は価値創出のけん引役としてESGの各要素を組み込むことへのコミットメントを反映したものだと反論。目標が達成されれば、同業他社に比べて環境に配慮する姿勢が明確になると説明した。

原題:Junk Firms Are Posing as Green Warriors to Reduce Debt Costs (2)Junk Firms Are Posing as Green Warriors to Reduce Debt Costs (1)(抜粋)

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