欧米とも銀行ボーナスに失望必至か、トレーディングやM&Aは盛況も
Lananh Nguyen-
クレディSはボーナス原資を7%削減、ドイツ銀も当局の反対で抑制
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バンカーが辛うじて退職しない程度に抑制-人材あっせん会社社長
金融機関は昨年、トレーディングやディールメーキングで輝かしい業績を上げたが、欧州のバンカーも米国のバンカー同様、ボーナスはさほど目を引く水準ではなさそうだ。
クレディ・スイス・グループは昨年、多額の法的費用や減損に対応し、ボーナス原資を約7%削減した。ドイツ銀行はトレーダーのボーナスを10%強増額するが、当初予定の3割強の増額に欧州中央銀行(ECB)が反対し、計画縮小を余儀なくされた。
欧米の銀行は新型コロナウイルス禍で世界経済が低迷する中、規制当局の怒りを買うことなくボーナスで成績優秀なトレーダーや投資銀行担当者をつなぎ止めたい考え。ボラティリティーを背景としたトレーディングや企業の合併・買収(M&A)の盛況が利益をもたらした一方で、銀行の消費者向け事業は世界的なロックダウン(都市封鎖)の打撃を受けている。
ウォール街の幹部人材あっせん会社アライアンス・コンサルティングのポール・ソルベラ社長は、「銀行は従業員にかなりの報酬を支給する代わりに、辛うじて退職しない程度の報酬を払おうとしている」と指摘。「信用危機以来、特にこのような状況が続いている。新型コロナ感染症(COVID19)は世界的な惨事だ。私は将来のボーナスを巡る根拠なき熱狂を決して理解できなかった。銀行はもはやそうした方法では経営していない」と付け加えた。
欧州の規制当局はボーナス抑制を公に求めている。 ECB銀行監督委員会のエンリア委員長は、資本バッファーを侵食しないよう変動報酬部分を「極度に控えめに」するよう銀行に要請している。
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By the Numbers
Big banks' fourth-quarter results, compared with a year earlier
Source: Data compiled by Bloomberg
原題:
Bonuses to Disappoint Bankers After Banner Year for Finance (1)(抜粋)