, コンテンツにスキップする

ホンダ新社長に三部専務、自前主義から脱して変革期乗り切れるか

更新日時
  • 今の時代は時間が重要、必要なら他社とのアライアンスも-三部氏
  • 八郷氏は取締役も退任、指名委員会等設置会社へ移行で企業統治強化

ホンダは19日、三部敏宏専務取締役(59)を4月1日付で社長に昇格させる人事を発表した。将来に向けての基盤づくりのめどがつき、今後は新たな経営体制のもと、新価値創造に向けて進化を図る。八郷隆弘現社長は取締役となり6月の定時株主総会以降は取締役からも退く。

Honda Motor President Toshihiro Mibe

ホンダの三部氏

Source: Honda Motor

  ホンダの発表資料によると、倉石誠司副社長は続投する。同社は指名委員会等設置会社への移行の方針も公表。りそなホールディングスの東和浩会長ら3人が6月の総会での承認を経て新たに社外取締役となる。

  指名委員会等設置会社は外部の監視を通じて経営トップへの権限集中を防止するなど高い企業統治(コーポレートガバナンス)を保てるとされ、国内では日産自動車がカルロス・ゴーン元会長の逮捕を受けて先に導入していた。

  ホンダによると、三部専務は1987年4月にホンダ入社。エンジン開発を中心に四輪車の研究や開発に従事。執行役員、常務を経て2020年に専務に就任していた。その一方でホンダの研究開発を担う本田技術研究所の社長も務めている。

  三部氏は同日の記者会見で、「だいぶ昔は全てホンダの内部で作っていくことがホンダであるという時期もあった」とした上で、今それをやると「時間が相当かかってしまう」と指摘。大きな変革期の中にある自動車業界では時間が非常に重要だとし、「ホンダが目指すべき、ありたい社会に対して早期に実現できるのであれば、例えばアライアンスを使ってさらにわれわれがやりたいことを加速」してきたいとの考え方を示した。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生シニアアナリストは、三部氏の社長昇格は時宜にかなったものと評価。経営会議の一員として同社の事業改革に深く関与してきた経験が、四輪事業の収益性向上と電動化の加速というホンダの課題解決への取り組みに役立つ可能性があるとの見方を示した。

  八郷氏は15年に社長に就任。電動化や自動運転技術の急速な普及など100年に1度と言われるほど激変する自動車業界で、さまざまな問題に対処してきた。

世代交代

  八郷氏は米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携を深化させた一方で、埼玉県の狭山工場を閉鎖して国内を3工場体制にする再編も断行。収益性が低下していた四輪事業の効率向上させるためホンダで長年、研究開発の中心的な役割を果たし、聖域視されていた本田技術研究所の四輪開発機能を本社に統合するなど、抜本的な対策も進めてきた。

  八郷社長は、「私としてはできるかぎりのことは全部やって、今やり残したことがあるとは感じていない。特に昨年の4月、研究所を新しい体制に変え、四輪の商品開発体制も変え、そこで私の考えていた体制というのはできあがった」と語った。

  6月の株主総会では八郷氏の前任の伊東孝紳氏も取締役を退任する予定で、世代交代が加速する見通しだ。

(記者会見や識者のコメントを追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE