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米国でビットコインETFの上場が21年に実現し得る理由-QuickTake

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ビットコインに投資したいと血が騒ぐものの、仮想通貨取引所とデジタルウォレットの煩わしさを省きたい人は、上場投資信託(ETF)に魅力を感じるかもしれない。だが、米国の5兆8000億ドル(約612兆円)規模のETF市場には少なくとも今のところビットコイン価格を追うものはまだ1本もない。

  欧州には仮想通貨の動きに連動する商品が取引所で上場されており、カナダでは2月にビットコインETFが登場した。一方、米国の規制当局は市場操作の可能性や乏しい流動性を巡る懸念に言及し、導入の試みを繰り返し打ち砕いている。それでも、仮想通貨で最大規模のビットコインは高値を更新し、米証券取引委員会(SEC)の委員長が交代するため、米国で初のビットコインETFが実現する可能性は高まっているようだ。

1.ビットコインETFとはどんなものか?

  ETFは上場投資型金融商品(ETP)として知られる幅広いカテゴリーの一部だが、群を抜いて規模が大きく人気もあるため「ETFs」として全体の総称とされることが多い。ETPは株式と同様に売買され、直接証券を購入したりデリバティブ(派生商品)を通じてパフォーマンスを再現したりして、(ほぼ)どんな資産クラスの動きでも追跡できる。

  最大のビットコインETPは、ストックホルム証券取引所に上場されている「ビットコイン・トラッカーEUR」(約17億ドル=約1800億円)で、ビットコインのリターンを反映するためスワップ契約に投資する。カナダのトロント証券取引所に上場した「パーパス・ビットコインETF」(ティッカー:BTCC)は、ビットコインに直接投資すると、発行元のパーパス・インベストメンツは説明している。

  一方、米国では複数の投資信託がビットコインの動きを追跡した運用を行っており、ETFに似ているが特定の制限がある。「グレースケール・ビットコイン・トラスト」(ティッカー:GBTC)は物理的な裏付けがあり、ビットコインを保持していることを意味する。ヴァンエック・アソシエイツが計画したETFもビットコインを物理的に保有する意向だ。

2.ETFの需要はあるのか?

  そう考える十分な理由がある。ビットコインが2021年初めに急騰した中でGBTCは規模が急拡大し、総資産は1年前の28億ドルから270億ドル強に膨らんだ。仮想通貨関連商品の需要は非常に強く、投資マネーの殺到でGBTCの時価は保有するビットコインの価値を40%上回った。

3.なぜ投資家はそれほどのプレミアムを支払うのか?

  投資信託の購入は、仮想通貨それ自体を購入するよりも簡単だからだ。受益証券は証券会社のプラットフォームで売買でき、デジタルウォレットを設定したり、仮想通貨取引所に送金したりする必要もない。業界の専門家らは、ビットコインETFが承認されれば、こうした投信のプレミアム縮小すると見る。投信で問題なのは、ETFと異なり、新たな受益証券がすぐには発行できない点だ。供給の制約がプレミアム高騰の一因だ。

4.規制当局がビットコインETFを避けている理由は?

  価格が操作されかねず流動性が不十分という懸念だけでなく、ビットコイン価格のボラティリティー(変動性)が一般投資家には大き過ぎるかもしれないという心配もあるためだ。ビットコインの過去3年間のリターンは、マイナス74%、プラス95%、プラス306%。ファンドによる保有コインの所有権の証明やハッカー攻撃の脅威も問題視されている。

5.ETFに関心を持つ企業は?

  2月初旬の時点で、SECが受け付けているETFの申請は昨年12月にヴァンエック・アソシエイツが行った「ヴァンエック・ビットコイン・トラスト」のみ。ビットワイズ・アセット・マネジメントも、運用対象を広げた仮想通貨ETFの設定を目指している。2013年に投資家のウィンクルボス兄弟がビットコインETFの上場申請をして以来、ビットワイズのほか、プロシェアーズやファースト・トラスト、グレースケール、ウィズダム・ツリー・インベストメンツなどの企業も上場を目指したが、いずれも認可獲得に成功しなかった。

6.認可に向け現在のハードルは?

  激しい価格変動だ。今年初めの数週間にビットコインは40%強上昇した後、24%下落し、再び50%強の大幅高となり、ETF投資家がこうしたボラティリティーにさらされるリスクに懸念が再燃している。さらに、イエレン米財務長官はビットコインがテロリストや犯罪組織の資金集めで懸念される分野だと言及。ビットコインの発行量は有限であるため、大口保有者が市場を動かすことができるという懸念もある。

7.年内のETF上場の確率は?

  市場関係者によると、確率は改善している。ポール・チューダー・ジョーンズ氏やスタン・ドラッケンミラー氏といったウォール街の重鎮がビットコインを受け入れており、ロビンフッドやペイパルなども利用や売買を容易にしている。仮想通貨の支持者の中には、バイデン米大統領がSEC委員長にゲンスラー元商品先物取引委員会(CFTC)委員長を起用したことで勇気づけられた人もいる。ゲンスラー氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院で、「ブロックチェーンとマネー」と題した講座で教えたこともあるが、詐欺や手薄な規制といった業界の問題も認めている。7月までに新委員長が就任するまで判断は期待できない。

原題:Why a U.S. Bitcoin ETF Could Be a Real Thing in 2021: QuickTake(抜粋)

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