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インド、国債大量発行巡り中銀と市場がせめぎ合い-利回り急騰

  • 10年国債利回りは6%上回る-中銀の防衛ラインを突破
  • 利回りは12月末までに6.6%に上昇-スタンダードチャータード予想

インド準備銀行(中央銀行)は政府による膨大な借り入れを支える方針だが、その決意を債券市場のトレーダーに再び試されている。

  18日の取引で指標の10年国債利回りは6%を上回る水準に急騰。中銀の防衛ラインと見なされていたレベルを超え、債券市場とのせめぎ合いが激しくなっていることを示唆している。同日行われた国債入札では全体のほぼ70%を引受金融機関が落札する事態となった。

  PNBギルツの債券担当執行副社長ビジェイ・シャルマ氏は、「中銀は利回りを6%近くに保つための戦いに挑もうとしているが、債券の大量発行で市場は供給であふれそうになっている」と指摘。「中銀が金利をここで維持するないしは押し下げるという見方が市場で広がらない限り、債券に対する意欲は出ないだろう」と述べた。

10-year bonds turn volatile on uncertainty over RBI support

  モディ政権が債券の大量発行に乗り出す中、インド中銀は他国の中銀とは異なり、量的緩和プログラムやイールドカーブコントロールを用いずに借り入れコストを抑制することを目指している。

  4月1日に始まる会計年度の政府借り入れは総額12兆ルピー(約17兆5000億円)に上る見込みで、過去最大規模となる今年度の債券発行額を若干下回る。事情に詳しい関係者1人によると、中銀はこの借り入れプログラムを支援するため3兆ルピー超の国債買い入れを目指しており、指標利回りを6%前後に抑える方針だ。

インド中銀、来年度に4兆3400億円超の国債購入計画-関係者

  だが、経済が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)から立ち直りをみせる中、市場では中銀が金融緩和策の巻き戻しを始めるという観測が広がりつつある。そのためトレーダーらに債券購入を促す要因はほとんど見当たらない。

  スタンダードチャータードの金利ストラテジスト、ナガラジ・クルカルニ氏は、10年債利回りが12月末までに6.60%に上昇すると予想。野村ホールディングスやバンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、22年にも利上げが行われると予想し始めている。

  ICICI銀行のグローバルマーケッツ責任者のB・プラサナ氏は、「金融政策を昨年ほど緩和的にするわけにはいかない」と指摘。「債券利回りの上昇圧力と借り入れプログラムの管理を図る中銀とのせめぎ合いは続くだろう」と述べた。

原題:Bond Traders Tussle With RBI as Underwriters Again Save Auction(抜粋)

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