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緊急事態宣言解除、来月なら今週より1700億円損失増-元FRB仲田氏

  • 1日平均の感染者は150人に、来年2月までの累計死者数は370人減少
  • 試算はコロナ分科会に提示、感染者数や人流データから算出

東京都の緊急事態宣言を計画通り来月に解除した場合、今週末の解除と比べ経済損失が約1700億円増加する一方、死者数は抑制できる-。米連邦準備制度理事会(FRB)の調査部で主任エコノミストを務めた東京大学の仲田泰祐准教授らが16日、試算を発表した。

  試算によれば、緊急事態宣言を続けた場合、期限を迎える3月第1週の東京の1日平均の感染者数は150人まで抑制される。経済損失は400人を基準として今週末に解除した場合と比べ増加するが、来年2月までの累計死者数は370人減る。

解除基準来年2月までの累計死者数経済損失(400人で解除の場合と比較)
400人1841人
150人1471人1719億円増加
100人1315人3438億円増加

  仲田氏のこれまでの試算は、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で宣言解除のシミュレーションとして提示されている。行動制限による感染者数の変化を示す標準的な疫学モデルに、経済活動とつながる人流データを加えた。ワクチン接種は政府目標よりやや遅く、8月中旬までに高齢者の8割が接種を終了する想定だ。

  緊急事態宣言については、400人を解除基準として今週末に解除しても、再発令が必要のない水準に感染者数に抑え込めると予測した。感染者数が抑制できており、ワクチン接種の効果も見込まれるためだ。150人を基準に解除を来月まで待てば、6月頃のピーク時でも1日300人台の感染者数になると見込む。 

東京都の新規感染者数推計

出所:東京大・仲田氏らのデータ

  仲田氏は、昨年までFRBでマクロモデルを使った政策分析を担当。国内では感染対策と経済活動の両立についての試算がほとんど提示されていなかったため、第3波が襲った12月から分析を始めた。ウェブサイトで週ごとのデータを更新している。

  ブルームバーグの取材に、再発令は経済損失が大きい上に死者数が抑制できず「命と経済両方にとって良くない」と指摘した。

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