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地震で13基の火力発電所停止、融通で停電恐れなし-150人負傷

更新日時
  • JFEの仙台製造所やENEOS仙台製油所が稼働停止
  • 東北新幹線の全線再開には10日前後要する見込みとJR東日本

13日夜に宮城、福島両県で震度6強を記録した地震を受け、東北地方で13基、発電出力で計686万7000キロワット相当の火力発電所が停止した。経済産業省によると、北海道や西日本の電力会社からの電力融通があり、大規模な停電につながる恐れはない。14日夕時点で、地震の負傷者は150人となっている。

  交通網への影響では、JR東日本は那須塩原ー盛岡駅間の上下線で運転を見合わせている東北新幹線について、全線運転再開までにおおむね10日前後を要する見込みだと発表した。新白河ー古川間で土木構造物の損傷や電柱の折損・傾斜など設備に大きな被害が確認されたため。NTTドコモはホームページで、地震の影響による一部地域での通信障害は14日午前9時13分に全て回復したと発表した。

  日本卸電力取引所(JEPX)の発電情報公開システムによると、東京電力と中部電力の火力発電事業を統合したJERAの広野火力5、6号機(各60万キロワット)や、東北電力とJERAの合弁会社が運営する新地火力1、2号機(各100万キロワット)など原子力発電所に相当する規模の発電機が複数停止した。

  JERA広報担当の澤木敦生氏は、広野火力2基について被害状況を現在確認中で、稼働再開時期の見通しは未定と話した。発電情報公開システムでは現在、5基(出力190万7000キロワット)が16日までに復旧予定となっている。

  地震で複数の発電所が停止したことで大規模な停電が発生。東京電力パワーグリッドによると、栃木県や神奈川県を中心に一時86万戸で停電が発生した。東北電力管内でも、一時福島県や岩手県など計約10万戸で停電が起きたものの、現時点では両社管内の停電はすべて解消している。

製油所、製鉄所が停止

  石油元売り最大手のENEOSホールディングス広報担当によると、仙台製油所(仙台市)では地震の影響で全装置が停止した。根岸製油所(横浜市)でも一部の装置が停止した。

 出光興産によれば、地震後の停電の影響により、千葉製油所の常圧蒸留装置と一部の二次装置が停止。出光の子会社、東亜石油の京浜製油所も同じく停電の影響で一部の二次装置が停止したが、常圧蒸留装置は稼働を継続。停止した装置の稼働再開のめどは立っていない。両製油所で設備、人員ともに被害なし。

  JFEホールディングス広報担当は、仙台製造所は地震の影響で操業を停止していると話した。安全が確認でき次第稼働を再開する予定だが、再開時期については現時点では未定としている。東日本製鉄所の千葉、京浜地区については操業に影響は出ていないという。

  日本製鉄の広報担当によると、地震による設備などへの被害の報告はなく、東日本製鉄所は鹿島や君津地区などすべて現在通常通り稼働しており、生産への大きな影響はないという。

  ルネサスエレクトロニクスの広報担当によると、停電で那珂工場(茨城県ひたちなか市)の稼働を停止した。現在もクリーンルーム内の安全確認や装置の被害状況の確認のため操業を停止しているものの、建屋や用役設備には被害はないという。米沢工場や高崎工場は操業を継続している。

  トヨタ自動車は宮城、岩手両県にある車両工場や部品工場の一部で部品の位置ずれなどがあったものの、人的被害はなく、15日朝から通常稼働の予定だと広報担当の橋本史織氏が述べた。日産自動車広報担当の奥田浩司氏も地震による国内工場の被害報告はなく、同日から稼働予定だとした。

  日本取引所グループ(JPX)は14日、東京証券取引所、大阪取引所、東京商品取引所の各市場における売買について15日以降も通常通り行う予定であると発表した。

ワクチン保管場所に影響なし

  加藤勝信官房長官は会見で、12日に日本に到着した米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンについて「会社に確認したところ、保管場所に関しては地震による停電の影響を受けていない」と述べた。厚生労働省は14日、同ワクチンを特例承認したと発表した。

  NHKは、東京電力ホールディングスの福島第2原子力発電所1号機で、使用済み核燃料を保管するプールの水が少量漏れ出し、プール横の溝にたまっているのを東京電力が見つけたと報じた。しかし原子力規制庁は、少量のため核燃料の冷却に影響はなく、放射線量も低いため作業員の被ばくの心配もないとしている。

  政府は14日午前、関係閣僚会議を開催した。菅義偉首相は、現時点で亡くなった方はいないとの報告を受けていると述べた。

  また、常磐自動車道での土砂崩れや各地で断水などが確認されているとした上で、「被災自治体と緊密に連携し、余震や土砂災害など2次災害への警戒を継続するとともに、国民への的確な情報提供と災害応急対策に万全を期してほしい」と指示した。

  NHKによると、これまで確認された負傷者数は東北、関東地方で計150人となった。気象庁は今後1週間程度は最大震度6強程度の余震に警戒する必要があるとしている。

 

(東北新幹線の情報や負傷者数を更新し、JPXの発表などを追加します)
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