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欧州委員長に一部加盟国は信頼失う、失敗続きのEUに内部から怒り

  • コロナワクチン、アイルランド国境の制限、ロシア訪問で失点重ねる
  • 3週間雲隠れのフォンデアライエン委員長、10日の議会で厳しい批判

ロシア外相に外交トップがテレビカメラの前で恥をかかされ、新型コロナウイルスワクチンの展開は遅く、ドタバタの輸出制限では離脱した英国に初めて政治的な優位をとられた。欧州連合(EU)はこのところ失点続きで、欧州委員会のフォンデアライエン委員長に厳しい視線が向けられている。

  EU内部や加盟国の間では、フォンデアライエン氏が失敗に区切りをつけてEUを前進させていけるのかを問う声が強まっている。

  EU外交安全保障上級代表として4年ぶりにロシアを訪問した欧州委員会のボレル副委員長は、EU未承認のロシアのコロナワクチンに祝いの言葉を述べる一方、同国のラブロフ外相からEUは「信頼できない」と言われても黙ったままだった。この問題があった後で外交官の2人はブルームバーグに対し、一部のEU加盟国はフォンデアライエン氏に対する信頼を失っており、回復は容易でないだろうと語った。

European Commission President Ursula Von Der Leyen News Conference

フォンデアライエン欧州委員長

  EUの失態が相次ぐなか姿を消していたフォンデアライエン氏は10日、1月21日以来初めて公の場に現れたが、欧州議会議員の激しい怒りに直面した。欧州議会で同氏は、欧州委員会としてワクチンの遅れから教訓を得なければならず、英国の離脱に絡む問題では「深く遺憾に思う」と間違いを認めた。

  EU内では最も強力な政治指導者であるメルケル独首相が9月で退任し、フランスのマクロン大統領は2022年の選挙に向かう中で極右の台頭に脅かされている。コロナ以前の通常の状態に回帰できる時期が見通せず、景気回復は順調にはいかない様子で、EUにはこれ以上失敗を重ねる余裕はない。

  欧州委員会委員長と委員全員を罷免する最終的な権限を持つ欧州議会議員は今週、ボレル氏の辞任を求める書簡に70人余りが署名し、業を煮やしつつある様子をあらわにした。EU当局者の1人は、個別に見ればそれぞれの失敗を釈明できるかもしれないが、全体的に危機に陥っているように見られるリスクがあると懸念を示した。

原題:
EU Fights to Restore Faith in Leaders After Several Blunders (1)(抜粋)

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