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ETF購入、過度なリスクプレミアムの抑制に効果-中村日銀委員

更新日時
  • 現局面での買い入れはタイムリーでない、今後も必要なツール
  • 中小企業の成長支援へ、地域金融機関の統合・合併も一つの選択肢

日本銀行の中村豊明審議委員は10日、上場投資信託(ETF)の買い入れについて「リスクプレミアムが過度に動いてしまう時」にタイミング良く行う必要があるとの見解を示した。オンライン形式で行われた高知県金融経済懇談会での講演と会見で語った。

  中村氏は、3月めどに結果を公表する金融緩和策の点検に関連し、ETF購入では今回のコロナショックのように「一時的な大きなリセッション」には対応が必要との認識を示した。一方、現在のように株価が堅調に推移している局面は「タイムリーではないだろう」と語った。

  ETF購入は株式市場の不安定化に伴うデフレマインドの払しょくに効果を発揮しており、「今後も必要なツール」と表明。コロナ禍にもかかわらず、株価が上昇を続けていることに関しては「日銀が株価を支えているとの認識はない」とし、ポストコロナの時代に合った企業が投資家から選好されているとの見方を示した。

  2%の物価安定目標の実現に時間がかかると見込まれる中、現行の枠組みの下で「より効果的で持続的」な金融緩和を行うのが政策点検の目的。イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)の運営やETFを中心とした資産買い入れ方法などが点検項目に挙がっている。

提携も有力手段

  中村氏はポストコロナも見据え、スタートアップを含む中小企業の生産性向上や規模の拡大には「直接金融と間接金融の役割は大きい」と指摘。中小企業の成長に向けた取り組みを支援するには「地域金融機関の経営統合や合併も一つの選択肢」とし、「他業態を含むアライアンスなども有力な手段」と語った。

  昨年7月1日に日銀審議委員に就任した中村氏は、日立製作所の副社長などを歴任し、財務部門やグループの事業変革などに携わった。審議委員としての講演は今回が初めて。

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(中村氏の会見内容を追加し見出しも差し替えて更新しました)
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