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トランプ氏2度目の弾劾裁判、知っておくべきポイント-QuickTake

米連邦議会議事堂への乱入を巡り支持者を扇動したとして、下院で弾劾訴追されたトランプ前大統領の弾劾裁判の審理が9日に上院で始まる。約1年前に行われた前回の弾劾裁判では、ウクライナ疑惑を巡る権力乱用と議会妨害の2つの条項について、上院はいずれもトランプ氏に無罪評決を下した。

  こうした結末は当初から予想され、劇的要素はほぼなかったが、今回の状況は大きく異なる。トランプ氏は前大統領であり、大統領退任後に弾劾裁判に臨む初のケースとなる。著名な弁護士がずらりと居並ぶわけではなく、トランプ氏擁護について共和党内の結束も前回より弱い可能性がある。

1.弾劾条項は

  下院が1月13日の本会議で民主党議員222人全員と共和党議員10人の賛成多数で可決した弾劾訴追決議では、前大統領が支持者に反乱を扇動する罪を犯したとしている。同月6日の議会乱入事件の際には5人が死亡し、ジョー・バイデン氏の大統領選勝利を正式認定する審議が一時中断された。

2.争点は

  裁判で検察官役となる下院民主党の弾劾マネジャーは文書で、議事堂襲撃について前大統領に「著しい責任」があると糾弾。トランプ氏は選挙結果を覆そうとする数カ月に及ぶ取り組みの中でイベントを設定し、「暴徒をワシントンに呼び集めて狂乱へとあおり、弾薬を込めた機関砲のようにペンシルベニア通りに向かわせた」と主張した。

  一方、トランプ氏の弁護団は今回の弾劾訴追が下院民主党による「政治的憎悪」に基づく行為であるほか、同氏は既に大統領を退任しており、弾劾裁判は行われるべきではないと反論。先月6日の演説は暴力の扇動ではなく、いずれにしても、言論の自由などを定めた米国憲法修正1条で保護されたものだとしている。

3.裁判はいつまで続くのか

  3週間続いたトランプ氏に対する前回の弾劾裁判とは異なり、わずか数日で結審する可能性がある。弾劾手続きを主導する民主党側は急いで対応しなければならない他の課題が多いこともあり、迅速な審理を望んでいることを示唆。公の記録に残る出来事であり、議員自身が当日に経験したことによるところも大きい。トランプ氏側が弁護にどの程度の時間を求めるかは不明だ。

4.裁判長は誰か

  弾劾裁判の裁判長はレーヒー上院議長代行(民主)が務める。前回は憲法の規定に従ってジョン・ロバーツ連邦最高裁長官が役割を担った。

5.退任した大統領の弾劾裁判は合憲か

  大統領を退いた後に弾劾裁判を行う合憲性を巡っては前例がなく議論の余地がある。数は少ないものの、大統領以外を対象とした過去の弾劾裁判は、トランプ氏が大統領任期を終えた後でも上院には同氏を弾劾裁判で裁く法的権限があることを一貫して示唆している。退任した大統領への弾劾裁判は違憲だと主張する共和党のランド・ポール上院議員が提出した動議は先月26日に賛成45、反対55で否決されている。

6.有罪評決の可能性はどの程度か

  ポール議員が提出した前述の動議に共和党議員45人が賛成に回ったことを踏まえると、有罪評決が下される可能性は低い。トランプ氏の有罪評決には上院議員の3分の2の票が必要であり、100人全員が投票した場合は民主党側の50人に加え、共和党から少なくとも17人が賛成しなければならない。共和党のマコネル上院院内総務の動向が鍵になる。マコネル氏は議事堂を襲撃した人々が「大統領にあおられた」と述べたことはあるが、有罪評決に賛成票を投じるとまでは発言していない。

7.裁判のポイントは

  トランプ氏に有罪評決が下された場合、上院はさらに過半数の賛成で同氏が公職に再び就く資格を剝奪することが可能だ。トランプ氏は2024年大統領選への出馬の可能性をほのめかしたこともある。有罪評決なら大統領経験者に与えられる終身年金など恩恵の多くも失うことになる。シークレットサービスによる警護は影響を受けない。

8.資格剝奪の事例はこれまであったのか

  下院はこれまで弾劾手続きに60回余り着手し、連邦判事15人、上院議員1人、閣僚1人、大統領については1868年のアンドルー・ジョンソン氏、1998年のビル・クリントン氏、2019年のトランプ氏の3人を弾劾訴追した。そのうち判事8人が上院で有罪とされ、職を解かれた。このうち3人は公職資格が剝奪された。直近では10年にニューオーリンズのトーマス・ポーティアス連邦判事が絡む例があり、上院は汚職や指名公聴会などでの虚偽の証言で有罪評決を下した。

9.上院議員の役割は

  座って審理に耳を傾けることが中心になる。トランプ氏に対する前回の弾劾裁判では上院議員は着席し、夜遅くまで審理を見守っていた。きちんと集中できる環境を確保するため、携帯電話など電子機器の持ち込みは禁じられた。

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トランプ前大統領

Source: Bloomberg)

原題:What to Know About Trump’s Second Impeachment Trial: QuickTake(抜粋)

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