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大規模な東証の市場改革、実効性は懐疑的との見方-区分・指数見直し

  • 東証の市場改革は機会を逸する可能性がある-CLSA
  • 新指数は、TOPIXと99%変わらないだろう-スマートカーマ

東京証券取引所による大規模な市場改革まであと1年余りとなった。今回の改革では市場区分の再編、それに伴う上場基準の変更、東証株価指数(TOPIX)の見直しがある。ただ、劇的な変化は起こらないのではないかと懸念の声が出始めている。

  CLSA証券のストラテジスト、ニコラス・スミス氏は、実際に意味のある変化をもたらすかは懐疑的とみる。中でも1990年代から構成銘柄が約2倍の2000社以上に増えているTOPIXを優良企業を代表する指数への見直しは単に小型株を追い出すことに焦点を移す可能性が高いと先月のリポートに記した。海外投資家が日本株に懐疑心を抱かせてきた株式持ち合いなどの慣行の変更に、ロビー団体である経団連が反対する可能性が高いとみている。

  今回の改革では市場区分を「プライム」、「スタンダード」、「グロース」の3つに再編する。プライム市場には、東証1部に適用されている時価総額250億円以上という要件に加えて、市場で売買可能な流通株の時価総額が100億円以上(比率35%以上)の基準が設定される。これまで10%未満であれば認められていた政策保有目的の株式は流通株から除外される。

  新たな指数の構成銘柄については、現在の東証1部全銘柄から、流通株式時価総額が100億円以上の企業に絞り込む。今年6月末時点と翌決算期末に満たしていない企業は、22年10月から構成比率が下がる低減銘柄に指定され、25年1月末までに除外される。

  「東証1部上場」には信頼性が高く安定している企業というネームバリューがある。スマートカーマのアナリスト、トラビス・ランディー氏は、除外されれば格好が悪いため、企業は条件を満たすことになるだろうとメモに記述した。

  ランディ氏は新指数について、TOPIXと99%変わらないだろうと予想する。同氏の試算によると、東証1部銘柄のうち流通時価総額が100億円未満の銘柄はほとんどなく、仮に500社が組み入れから除外されても世界の優良株指数の3-5倍に相当する1500社程度が残る。変更点は、大局的に見れば小さなものとみている。

  一方、今回の改革に期待する声もある。大和総研政策調査部の神尾篤史次長は、流通株も浮動株も政策保有株を排除する方向で、計算方法が異なりインパクトの違いはあるが共通のメッセージは込められていると話す。新たな上場基準を満たすために、銀行や保険会社が株主となっている銘柄は短期的に売り物として出てくる可能性があるという。

  プライム市場には、金融庁と東証が今春改定する企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)が適用される。取締役会の3分の1以上を社外取締役とすることや、女性や外国人の登用に関する自主的な目標を設けるなどが検討されている。

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