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デュレーションにリスク集中-成長加速で利回り上昇なら相場急落

更新日時
  • 利回りが極端に上昇すれば株式・債券相場は急落に見舞われる恐れ
  • キャッシュフローの回収期間が長いテクノロジー企業も打撃が大きい

S&P500種株価指数の最高値更新が続き、リスク資産の価格が押し上げられる中で、急速な景気回復は特有の危険を伴うと債券市場が投資家に警告を発している。

  新型コロナウイルスワクチンの接種開始と、米追加経済対策成立の可能性がアニマルスピリットとインフレ見通しを回復させ、米国債利回りはパンデミック(世界的大流行)の初期段階以来の高水準に達した。

  しかし、ゼロに近い低金利が何年も続いたことや歴史的な過剰債務の影響で、成長の急加速で利回りが極端に上昇すれば、株式および債券相場は急激な下げに特にさらされやすい。

  世界的に発行体が償還期間が長めの債券発行に傾き、利払いが減少するかゼロになる状況で、過去最長に近いデュレーション(平均回収期間)にリスクが集中している。

  株価と債券相場の両方が極めて高い水準にあることを考えると数兆ドルの価値が危険にさらされており、2013年に当時のバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長が量的緩和(QE)の段階的縮小に言及し、利回りが急上昇した「テーパータントラム(市場のかんしゃく)」の再発を不安視する向きもある。

  コロンビア・スレッドニードルのポートフォリオマネジャー、ジーン・タヌッツォ氏は「多くの人々が恐らく認識している以上にデュレーションリスクが市場に内在している」との見方を示す。  

Rising Treasury yields risk widespread pain

  キャッシュフローの回収期間が長いテクノロジー企業に代表される成長銘柄も、利回り上昇に伴う打撃が大きいと予想される。

  ゴールドマン・サックス・グループのポートフォリオ戦略&アセットアロケーション担当のマネジングディレクタークリスティアン・ミュラーグリスマン氏は、株式を債券のように見立てて計算する株式デュレーションに言及し、「今回の危機と回復は大部分の資産、特に株式でデュレーションの長期化を招いた」と分析した。

  ミュラーグリスマン氏はその上で、「デフレが色あせる市場からインフレを織り込む市場への変化は、株式の利益になりそうにない。マルチアセットポートフォリオは、株式のデューレーションリスクをなおさら積極的に管理したいと実際考えるだろう」と指摘した。

  米国で民主党の大統領がホワイトハウス入りし、上下両院でも同党が主導権を握ったことを受け、今年に入りリフレ期待が急拡大した。債券利回りだけでなく、成長に緊密に連動する銀行株や小型株も上昇した。

  ウォール街のコンセンサス予想によると、米国の10年国債利回りは 1.2%を下回る現在の水準から今年10-12月(第4四半期)に1.3%となる見通しだ。だがアドボケート・キャピタル・マネジメントのスコット・ペン最高投資責任者(CIO)は年末に2.53%に達すると予測し、「金利上昇のパーフェクトストーム(最悪の状況)」もあり得ると顧客に警告している。

Rise in long-term Treasury yields has come amid jump in term premium

  米国の10年国債とインフレ連動債の利回り格差を示し、インフレ期待を反映するブレークイーブン・レートは、8日のアジア時間帯の取引で、一時2.21ポイントと14年以来の高水準を記録した。

米国債10年物ブレークイーブン・レート、14年以来の高水準

原題:Danger Lurks in Global Markets Transfixed by Rising Bond YieldsU.S. 10-Year Inflation Breakeven Advances to Highest Since 2014(抜粋)

(株式デュレーションに関する意見を追加して更新します)
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