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河野行革相が「次期首相」一番手に浮上、ワクチン対応が試金石

  • 菅首相は「改革担当として複数の役所にわたる問題解決」と手腕評価
  • ツイッターフォロワー数は200万人超、連日ワクチン情報を発信

河野太郎行政改革担当相が、世論調査で次期首相候補の首位に浮上している。ワクチン接種という菅義偉政権の命運を左右する重要な役割を担い、手腕が試される局面だ。

  日本経済新聞社とテレビ東京が1月29-31日に実施した世論調査では、「次の政権の首相にふさわしい人」の首位は河野氏の25%だった。2位は石破茂元自民幹事長で16%、菅首相は6%で5位。JNNが6、7両日に行った調査でも、「次の自民党総裁にふさわしい人」の首位は河野氏で22%だった。

  河野氏は先月、新型コロナウイルスワクチンの接種開始を前に、海外からの輸送や保管、会場の設定など接種手続きを調整する担当に起用された。国会では「令和の『運び屋』と言われるよう頑張る」と表明。菅首相は「規制改革担当として、それぞれの役所にわたる問題を解決してきた」と述べ、厚生労働省をはじめ複数の省庁間の調整に手腕を発揮することに期待感を示した。

  10都府県への緊急事態宣言が延長となる中、政府が感染対策の決め手とするワクチン接種を進めて感染を抑制できれば、政権浮揚に加え、首相候補としての河野氏の存在感も高まる。逆に失敗した場合は、菅首相だけではなく河野氏にとっても政治的な痛手は大きくなる。

  秋田県の農家に生まれ国会議員秘書、横浜市議から政治の道に入った菅首相に対し、河野氏は祖父が元農相、父が元衆院議長と政治家一家出身だが、神奈川県選出の当選同期で関係は深い。自民党が野党だった2009年の総裁選に河野氏が出馬した際には、菅首相も支援した。

英語でも発信

  河野氏は米ジョージタウン大出身で、海外メディアの取材に英語で応じる数少ない閣僚だ。世界経済フォーラム(WEF)がオンライン開催した先月の「ダボス・アジェンダ」会議では英語のセッションに参加し、欧州連合(EU)のワクチン輸出規制への懸念を訴えた。

  一方、ツイッターのフォロワー数は200万人を超え、ネット上での人気も高い。首相官邸や自身のアカウントで連日、ワクチンに関する情報を発信。発表前に政府関係者を引用して接種日程を伝えた報道には、「デタラメだ」と即座に否定した。フォロワーからは、メディアを通さない情報発信を歓迎するコメントが並んだ。

  自身のアカウントでは誹謗(ひぼう)中傷したとみなす相手をブロックして閲覧できないようにしていることへの批判もある。昨年2月の記者会見では理由を問われ、「礼儀のない人をブロックするのは何の問題もない」と話した。

  8日午後5時時点での河野氏のフォロワー数は226万6000人超で、安倍晋三前首相の226万100人超を上回っている。共同通信などは、安倍氏を抜いたことで河野氏のフォロワー数が国会議員最多となったと報じた。

  菅首相の自民党総裁任期は9月までで、衆院議員が任期満了となる10月までには総選挙も実施される。河野氏は昨年9月の総裁選への出馬を模索したものの、所属する麻生派が菅首相支持を決めたことで見送った。次期総裁選には、岸田文雄前政調会長が再挑戦に意欲を示している。

  河野氏は党運営を仕切る幹事長、政調会長など3役の経験がない。防衛相時代には地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備断念を巡り、決断の早さや突破力が評価される一方、与党への説明不足も指摘された。将来的に衆目の一致する総裁候補になれるかどうか、調整力が問われるワクチン対応がカギを握ることになる。

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