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世界の空が再びつながるのは2023年以降、ワクチンに過剰な期待は禁物

  • 年内の回復期待は後退、航空旅客の回復開始「恐らく2022年」-専門家
  • 航空会社のデジタルヘルスパスポート案、WHOの支持得られず

新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった昨年末は、人々の間に明らかな高揚感があった。旅行関連のウェブ検索が増え、航空会社は運航再開への楽観を強めた。欧州最大の格安航空会社ライアンエアー・ホールディングスは、「ジャブ&ゴー(ワクチンを打って出かけよう)」というキャンペーンまで始めた。

  現実はそうではない。

  まず、ワクチン被接種者が発症するリスクは低下するとしても、他人への感染を防ぐかどうかは明らかでない。感染力が強い変異株への効果も証明されておらず、オーストラリアや英国などは変異株の流行を受け、国境管理を緩和するどころかむしろ強化した。旅行需要を冷え込ませている自主隔離の義務付けに代わり、航空会社はデジタルヘルスパスポートの導入を呼び掛けているが、問題が多く、世界保健機関(WHO)の支持も得られていない。

Airplane Parking Lot in Middle of Nowhere Has Never Been Busier

航空機は封止され、保管施設に駐機

(オーストラリアのアリススプリングズ、昨年10月)

写真家:デビッドグレイ/ブルームバーグ

  こうした暗い現実により、世界的に旅行が大きく回復するとしても2022年以降だろうと、見通しは後退した。多くの航空会社はあと数カ月分の手元資金しか残っておらず、それでは手遅れかもしれない。すでに1年近く業務から離れているパイロットや客室乗務員、空港従業員ら数十万人が職を失うリスクがある。世界全体がつながっていた時代は戻らず、ばらばらで孤立した状態は長引く様相だ。

  WHO報道担当のマーガレット・ハリス氏は、「現時点でワクチンについて分かっているのは、感染した場合に症状が悪化するリスクを極めて効果的に低下させるということだけだと理解してもらいたい」と強調。「感染を止めるかどうかについてはまだ、一切示唆されていない」と述べた。

ワクチン接種の開始にもかかわらず、今後数年間は世界の航空業界が大きく回復するとは見込まれていない

(出所:ブルームバーグ)

  ワクチンパスポートなど必要としなくても、旅行需要が自ず(おのず)と回復する可能性は確かにある。ワクチン接種で新規感染者や死亡者数が減り始めれば、各国は自主隔離などの国境管理措置を緩和し、航空機搭乗前の検査で十分だと判断するようになるかもしれない。

  例えばアラブ首長国連邦(UAE)は入国時に陰性証明の提示を求める以外、入国制限をほぼ撤廃した。英当局は誤解を招く内容だとしてライアンエアーの「ジャブ&ゴー」広告を禁止したものの、同社のマイケル・オリアリー最高経営責任者(CEO)は依然、欧州のほぼ全人口が9月末までに接種を受けると見込む。「その時点でわれわれは制限から解放される」とし、「短距離の旅行は力強く急速に回復するだろう」と語った。

Biden Administration Reinstates COVID Travel Ban For Non-US Residents

米ニューヨークのJFK空港国際線ターミナル(1月25日)

写真家:スペンサープラット/ゲッティイメージズ

  だが今のところ、大半の国は外国から旅行者を迎え入れることに及び腰で、少しでも問題があれば制限を強化する方向だ。アルトン・エビエーション・コンサルタンシーのディレクター、ジョシュア・ング氏は、航空旅客が回復するのは「恐らく2022年だろう」とし、長距離旅行の再開は2023年か24年までないと予測した。国際航空運送協会(IATA)は3日、最悪のシナリオで今年の航空旅客数は13%しか改善しないとの見通しを示した。

原題:
Brace Yourself: Long-Haul Travel Might Not Start Until 2023 (1)(抜粋)

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