ドル・円は105円台半ば、米雇用統計を控え高値圏でもみ合い
野沢茂樹
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=105円台半ばを中心に推移。海外時間に米雇用統計の発表を控え、約3カ月ぶりの高値圏でもみ合う展開となった。
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市場関係者の見方
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長
- ドル・円は朝の取引が薄い時間帯にやや仕掛け的な動きで上昇したが、取引が一巡すると米雇用統計待ちに。105円台半ばを割り込むと下値も固い
- 主要通貨全体に対するドルショートはまだ残っており、来週106円台半ばまでの上昇はあり得るが、ドル・円だけで見るとかなりポジションが整理されたもようで、そろそろピークが近いのではないか
- ポンドは英中央銀行によるマイナス金利導入観測の後退を受け、過度な弱気論の後退から買い戻しの動きが出ている
IG証券の石川順一シニアFXストラテジスト
- 米長期金利の上昇基調を背景にドルが主要通貨に対して緩やかに買い戻される流れは続いているが、アジア時間には米雇用統計を前に米金利とドルの上値を一段と試す動きは限られている
- 米雇用統計は強めの結果になる可能性が高いとみており、そうなれば米金利上昇とドル高が再燃するだろう
- 商業決済が集中しやすい五・十日(ごとうび)の需給はドル買いがやや優勢だったようだ
三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットの持田拓也調査役
- 米上院で民主、共和両党の権限共有が決まったことはリスク資産にポジティブな材料。一部銘柄の乱高下に対して米金融当局が監視を示したことは市場に安心感をもたらしている
- 今晩の米雇用統計が強い内容ならドルの買い戻しがもう一段出て、昨年10月高値の106円10銭も視野に入ってくるだろう
背景
- 日経平均株価は前日比437円高で取引を終了。米株価指数先物は時間外取引で上昇
- 米10年債利回りは時間外取引で1.13%台を中心に推移
- 米上院、民主・共和による2年間の権限共有案を承認-勢力拮抗で
- 米財務省、市場の中核的インフラは強靱-最近の混乱でも
- イエレン米財務長官、熱狂的な株価の動きに対応必要か見極め-4日に協議へ
- 英中銀、マイナス金利政策の採用が近いとの観測を否定-景気の急回復を楽観
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