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物価2%の未達理由、3月の政策点検の重要項目に-若田部日銀副総裁

  • デジタル化・グリーン化支援は点検の対象外、今後も議論・検討
  • 政策点検の「機動性」、ショック対応の有効手段を考えるべきだ

日本銀行の若田部昌澄副総裁は3日、金融緩和政策が有効に機能しているとの評価にもかかわらず2%の物価安定目標が実現できていない理由は、3月の政策点検における「重要項目になる」との見方を示した。オンライン形式で行われた神奈川県金融経済懇談会後の記者会見で述べた。

  若田部氏は、政策点検の問題意識は物価が2%に達していないことが出発点とする一方、その背景や理由については「点検の作業中であり、コメントは控えたい」と語った。「達成できないから2%をあきらめるべきだとの議論には全く賛成しない」とも主張。欧米の中央銀行でもそうした議論にはなっていないとし、2%の「目標は正しい」と従来の見解を繰り返した。

  菅義偉政権が推進するデジタル化やグリーン化を中心とした成長戦略を金融政策で支援することが点検対象になるかとの質問に対しては、「そこまで踏み込むのは点検の範囲ではないだろう」と否定。その上で、成長力の強化に「いかに金融が関われるかは大きな問題であり、今後とも議論と検討を重ねていきたい」と語った。

2%物価目標達成は程遠く

  政策点検では、イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)の運営や上場投資信託(ETF)などの資産買い入れ方法とともに、より効果的な緩和策とする観点からデジタル化や環境問題を含めた成長支援策が打ち出されるとの観測が市場で広がっていた。若田部氏は成長力強化の取り組みを金融が支援することは「興味深い」としたが、より中長期的な視点で考えていくテーマと位置付けている。

  YCCの運営については、当初のキーワードの持続性と有効性に加えて「機動性」を踏まえて考えると説明。機動性の具体的な意味に関しては、今回のコロナショックのような危機に対して「どのようなさらなる有効な政策手段があり得るかを点検すべきだ」と述べた。 

  若田部氏は午前の講演で、政策点検について「金融緩和の後退方向での議論ではない」と強調し、「コスト面に配慮しながらも、いかに効果的な金融緩和を機動的に行うか」が議論の焦点になるとの見方を示していた。

若田部氏の講演に関する記事はこちらをご覧ください

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若田部昌澄日銀副総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

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