ドルは105円前後、実需の売りも米金利上昇で堅調維持-NZドル上昇
小宮弘子
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=105円前後で推移。前日に続き国内輸出企業のドル売りが上値を抑えた一方、米長期金利が高止まりする中で、ドルが堅調さを維持した。ニュージーランド(NZ)ドルは上昇。雇用統計が予想を上回る内容となり、年内に追加利下げはないとの思惑が強まった。
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市場関係者の見方
みずほ銀行の加藤倫義参事役
- 105円をめどに社内レートを考えている輸出企業は多いと想像され、流れがドル買いであったにしろ、実需の売りはそれなりに入っているとみられ、ドル・円は少し踊り場を作っているイメージ
- 一方、年初の円高局面でクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)をロングにしていた向きが一部ドル・円ロングに切り替える動きが見えつつあり、ドル・円の下値警戒感は薄れてきている
ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリスト
- ドル・円は朝方の需給の範囲と言っていい小幅な値動き
- 105円を超えたものの上値が重いので、いったん利食い売りが入りやすい。海外市場でドル主導の動きが出るまでは動きづらい
三菱UFJ銀行経済調査室の栗原浩史チーフ米国エコノミスト(ニューヨーク在勤)
- ドルは米金利上昇もあるし、トレンドとして反転している
- 3日は米重要指標や米地区連銀総裁の発言と盛りだくさん。特にFRB(米連邦準備制度理事会)高官発言はどの程度金利上昇を容認するかという点で非常に注目
- 米経済対策は金額は別としても可決・成立が視野に入ってきている。市場もある程度は織り込んでいるが、一段の金利上昇、ドル上昇をもたらす可能性はある
背景
- 米10年債利回りはアジア時間で1ベーシスポイント(bp)高の1.10%
- 米株価指数先物は上昇。日本株も堅調で、日経平均株価は前日比284円高で終了
- 米上院民主党は2日、バイデン大統領が提案した1兆9000億ドル規模の経済対策案の迅速審議に向け前進。財政調整措置を活用し、共和党の同意なしで通過させる可能性が高まった
- 米国では3日、1月のADP雇用統計やISM(供給管理協会)非製造業景況指数の発表、エバンス・シカゴ連銀総裁など複数の地区連銀総裁の発言が予定されている
- 昨年10-12月のNZの失業率は4.9%と前期から予想外に改善。雇用者数や平均時給も予想を上回った
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