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コロナ禍の東京五輪運営へ行動指針-プレーブックの初版公表

更新日時
  • 日本到着時のコロナ陰性証明提示や4日ごとの検査など義務付け
  • ワクチンの普及や感染状況を見ながら4月と6月に改訂を予定

東京五輪・パラリンピック組織委員会は3日、新型コロナウイルス感染の終息が見えない中、関係者が安全に大会に参加し、競技を円滑に運営するための指針を定めた「プレーブック」の初版を公表した。五輪・パラリンピック参加者にはワクチン接種は義務付けないなどが明示された。

  今回のプレーブックは国際競技連盟(IF)関係者向けで、報道関係者や選手を対象にした指針も順次公表していく。今後、ワクチンの普及や感染状況を見ながら、4月と6月にプレーブックの改訂版を出す予定。

  初版によると、参加者に日本到着時にコロナ検査の陰性証明を提示することや、少なくとも4日ごとに検査を受けることなどを義務付けている。スマートフォンアプリを利用した健康モニタリングや接触状況の把握に加え、陽性者の特定や隔離などの感染対策も盛り込んだ。

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  新型コロナの感染拡大が続く中、組織委が国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)と共に医療分野などの専門家の助言を受けながら作成した。

  組織委の中村英正ゲームズ・デリバリー・オフィサー(GDO)は、同日夕の会見で「個別の競技連盟とだけでなく都民や国民に説明することで、今年の夏の大会は安心だとサポートしてもらうことが重要」と述べた。五輪大会の安全基準について、オープンな議論を通じてルール改定を重ねることで、選手だけでなく開催反対が大勢を占める開催国日本の世論の理解を得ることを狙う。

観客対策は別

  組織委が安全に五輪を運営するためのプレーブックを公表したことについて、日本体育大学の横田裕行教授は、「一般的な国際大会の対応に準じており、今やれる限りの対応はやっている」と評価した上で、「観客向け対策をどうするかは別。選手は観客に比べれば少なく、管理に慣れている人が多い。観客対策をどうするかは早急に議論しなくてはいけない」と指摘した。

  IOCのトーマス・バッハ会長は1月27日の理事会後の会見で、世界各地のスポーツイベントでの感染対策の効果に「自信をさらに深めつつある」とし、7月の東京大会開催に「完全に集中しコミット」していると発言していた。

  東京組織委の森喜朗会長は同28日、無観客開催の可能性について、「基本的にはしたくはないが、それも考えないとシミュレーションにならない」と述べた。

  東京五輪・パラリンピック委員会は、観客数の上限について「今年春ごろ」をめどに決める方針。昨年12月には武藤敏郎総長が、上限数は「判断時点での政府の方針を参考にする」との見通しを示している。

開催の条件

  政府は新型コロナ感染拡大に伴う医療逼迫(ひっぱく)が依然深刻なことを踏まえ、緊急事態宣言を栃木県を除く10都府県で3月7日まで1カ月間延長。五輪の聖火リレーがスタートする3月25日までにどの程度感染が沈静しているかは予断を許さない状況だ。

  横田教授は「五輪開催の前提は新規陽性者数が大幅に減り、かつ医療逼迫が改善することが条件になる。今の状態では開催はできない」と指摘。「開催で爆発的に感染者が増えてしまったというのでは世界に説明がつかず、批判を浴びることになる。そこはきちんと医学的・科学的に十分に考えて対応を決めないといけない」と注意喚起した。

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