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ミャンマーで軍政復活-スー・チー氏「国民はクーデターに反対を」

更新日時
  • 軍は「新型コロナウイルス禍に何らの配慮もない」-スー・チー氏
  • 軍出身のミン・スエ臨時大統領、国軍総司令官に全権移譲

1日のクーデターでアウン・サン・スー・チー国家顧問ら政府指導者を拘束し、1年間の非常事態を宣言したミャンマー国軍は、スー・チー氏率いる与党・国民民主連盟(NLD)が圧勝した昨年11月総選挙の結果を無効とした。同国の民主化は大きく後退することになった。

  ミン・アウン・フライン国軍総司令官のオフィスは、不正選挙疑惑により選挙結果を無効にしたと説明。非常事態解除後に軍は「自由で公正な総選挙」を実施するとした。軍出身のミン・スエ臨時大統領は、今週の新議会召集前に行動が必要だとして、同総司令官に全権を移譲した。

  一方、国軍に拘束されたスー・チー氏はNLDのフェイスブックページに掲載された声明で、国民に国軍の動きに反対するよう呼び掛け、クーデターは「国民が直面している新型コロナウイルス禍に何らの配慮もなく、ミャンマーを再び軍の独裁下に引き戻す試み」だと非難した。

  同国の選挙管理委員会は先週、選挙は公正かつ透明に行われたとの見解を発表。軍は2015年の選挙ではNLDの大勝を受け入れていた。

  スー・チー氏は「われわれは国民に、受け入れ難い軍のクーデターに強く反対するよう求める」とし、「国民が最も重要な存在だ」と指摘した。

ミャンマー軍に拘束されたアウン・サン・スー・チー氏

Daybreak: Europe.” (Source: Bloomberg)

  拘束された人数やそれぞれの拘束理由は不明。同国のテレビ放送や電話、インターネット通信は安定しておらず、情報入手は難しくなっている。国軍は通信トラブルで銀行業務に一時支障が生じたが、その後復旧したと説明した。

  国軍は1月31日の声明で、選挙結果への異議は否定したものの、「2020年の選挙プロセスは受け入れ難い」としていた。ミャンマーの憲法には、「国民の団結」を崩壊させかねない非常事態の下では軍が権力を掌握できるとの規定がある。

  オーストラリアのキャンベラ在住の政治アナリストでミャンマーに関する著作があるハンター・マーストン氏は、「ヤンゴンを中心に主要都市ばかりか全国の小都市でも抗議活動が広がる可能性がある」と述べ、軍による権力掌握の正当化について「本当に皮肉」との見方を示した。

  米国と欧州連合(EU)、オーストラリアはミャンマー国軍に対し、行動を考え直すよう求めた。米国は制裁を復活させる可能性があると警告した。

  バイデン米大統領は1日の声明で、軍がクーデターにより掌握した権力を直ちに手放し、拘束された活動家や当局者を釈放するよう要求。ミャンマーの民主化に向けた進展を踏まえて米国は制裁を解除したが、「その進展が逆戻りすれば、われわれとしては制裁に関する法律や権限を直ちに精査し、適切な行動を起こす必要性が生じる」と指摘した。

原題:Myanmar Military Stages Coup; Suu Kyi Urges Nation to Resist (1)(抜粋)

(6段落以降に政治アナリストのコメントなどを追加して更新します)
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