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コロナ禍で輝き失うオフィスビル-大手日本企業の売却検討相次ぐ

  • 電通グループや日本通運などが本社ビルの売却検討との報道
  • 感染拡大抑制へ政府はテレワーク推進、企業はオフィススペース削減

新型コロナウイルス禍で働き方が変化する中、一部の日本企業は長年にわたってステータスシンボルとして保有してきたオフィスビルを手放しつつある。

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電通本社ビル(2012年7月撮影)

  電通グループ日本通運は本社ビルの売却を検討しており、エイベックスは昨年12月、本社ビルを売却すると発表した。

  パンデミック(世界的大流行)のさなか、従業員の在宅勤務は企業にとってコスト削減と資金確保の好機となり、世界の企業はオフィススペースを減らしている。コロナ感染拡大の抑制に向け政府がテレワークを推進する中、昨年12月の都心部オフィス空室率は約5年ぶりの高水準に達し、引き続き上昇する可能性がある。

  三井住友トラスト基礎研究所の主任研究員、田中可久氏は「これまで本社ビルを売却するという事例はあまり多くなかったが、以前よりは増えるだろう」と指摘。コロナ禍で働き方が変わり、オフィススペースが以前ほど必要なくなったため、事業戦略を見直したい企業は売却を考える可能性があるとの見方を示す。 

Tokyo office vacancies have reached a five-year high

  電通グループは、東京都港区の地上48階建て本社ビルを売却する検討に入っており、売却額は国内の不動産取引では過去最大級の3000億円規模になるとみられていると日経新聞電子版が1月に報じた。ビル売却後も大部分をグループで賃借し本社は移転しない方針だと伝えている。

  また、日本通運が地上28階建て本社ビル(東京・港区)の売却を検討しており、売却額は1000億円を超える可能性があると、読売新聞が先週報じた。

  海外の投資会社はニューヨークやパリなどの都市への投資を減らす一方、東京では、企業による売却検討の兆しが高まる中で商業用不動産への投資を進めている。カナダの不動産投資ファンド、ベントール・グリーンオーク(BGO)は、今後2、3年で約1兆円を投じる計画で、最大7割程度をオフィスに振り向ける見込み。

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の不動産アナリスト、パトリック・ウォン氏は「東京で一部企業が本社ビルを売却する可能性があることは、特に立地が良い場合、投資会社にとって購入の好機となるかもしれない」と指摘。「投資会社がパンデミック後に空室率が低下すると予想しているのであればなおさら、現時点での購入に関心を示す可能性がある」としている。

原題:
Skyscrapers Lose Luster for Japanese Companies During Pandemic(抜粋)

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