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1月のIPO規模は過去最高、SPAC上場ブーム主導-バブル懸念も

  • 1月のIPO、SPACは計260億ドル、世界全体では計630億ドル
  • 長期のペース持続は不可能、失速ならSPACに大きな打撃との見方

特別買収目的会社(SPAC)の1月の上場は記録的ペースとなり、今年の新規株式公開(IPO)市場の力強い幕開けを後押ししている。これは世界中で市場過熱につながった投資家の熱狂を示す新たな兆しだ。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、1月に完了したSPACのIPOは計約260億ドル(約2兆7200億円)と、昨年10月に記録した月間ベースの最高を上回った。年初来のIPO規模は世界全体で630億ドルと、前年同期の5倍余りに上る。

  世界の株式相場が記録的な水準に達し、個人投資家がゲームストップ株などの乱高下を引き起こす中、一部の投資家の間ではバブル懸念が浮上している。1月は200社余りが新規上場。バリュエーション(株価評価)が泡立った状態で可能なうちに資金調達しようと急ぐ企業が相次ぎ、上場ペースは加速している。

  UBSグループのアジア太平洋地域担当グローバルバンキング責任者、ガエタノ・バッソリーノ氏は1月29日のインタビューで、「こうした力強さとペースは長期的には持続不可能だ」との見方を示した。

Blank-Check Boom

SPAC fundraising soars to monthly record of nearly $26 billion in January

Source: Bloomberg

  IPOが急増する中で、株式のバリュエーションが伸長しつつある兆候が増えている。S&P500種株価指数の株価収益率(PER)は来年の予想収益ベースで21.6倍と、10年間の平均を3分の1強上回る。現在のバリュエーションでは、米国株は2000年以来の割高水準に近い。

  孫正義氏率いるソフトバンクグループのほか、ソフトウエア関連に重点を置いた買収企業のトーマ・ブラボー、資産家ジョン・マローン氏はいずれも過去数週間にSPACを通じて資金を調達した。

  通常のIPOでは、デジタル関連の伸びが目立つ。中国の短編動画アプリ運営会社、快手科技は香港市場で54億ドル規模のIPOを実施。インターネット関連企業のIPOとしては、19年に米国で上場したウーバー・テクノロジーズ以来の大きさとなった。

   シティグループのアジア株式資本市場担当共同責任者、ウドヘイ・フルタド氏(香港在勤)は、一部企業は強気のセンチメントを生かそうと資金調達計画を推し進めていると分析。「発行体にとって価格設定環境は魅力的で、極めてホットな市場だ」と語った。

投資家の熱狂

  力強い需要を背景に多くの企業のIPO規模が目標を上回り、取引開始後もバリュエーションが膨らみ続けている。

  オンライン決済サービスを手掛ける米ペイパル・ホールディングスの共同創業者マックス・レブチン氏が立ち上げたフィンテック企業アファーム・ホールディングスは上場初日の1月13日に98%上昇。米市場で14億ドル規模のIPOを先週実施した中国の電子タバコメーカー、RLXテクノロジー(霧芯科技)は、上場初日に146%上昇した。

  アムンディの欧州大型株責任者、ファビオ・ディ・ジャンサンテ氏は、「IPOブームはサイクルのピークにあり、個人投資家の記録的な参加とそれに伴う株式と暗号通貨の急上昇の全てがバブルと通常サイクルの終わりにつながりかねないリスクだ」と述べた。

  1月には米国でSPAC約90社が新規上場し、年初来でさらに60社余りがIPOを申請した。法律事務所ベーカー&マッケンジーの企業担当パートナー、ニック・オドネル氏(ロンドン在勤)は「市場がやや冷え込み始めた際には、SPAC市場への影響が最も大きくなる可能性がある」と指摘。SPACの中には「勝ち組もいれば、かなりの数の負け組も出てくるだろう」と予想した。

原題:
SPAC Listing Boom Drives Record $63 Billion January for IPOs (1)(抜粋)

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