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マウントゴックスの失敗、「とても残念」-大口債権者が振り返る

  • コインラボ共同創業者のベッセネス氏がインタビューで語った
  • マウントゴックスで最初に購入したビットコインは約5セント

暗号資産(仮想通貨)ビットコインの交換業者として2013年当時世界最大だったマウントゴックスの北米事業を取得する契約に絡み、ピーター・ベッセネス氏が米シアトルのオフィスにいたとき、米証券取引委員会(SEC)の執行部門から電話を受けた。東京に本社を置くマウントゴックスについての問い合わせだった。

  同氏のチームはマウントゴックスの財務記録確認ですでにトラブルに陥っていた。SECはベッセネス氏にこの問題で同氏の証言を望んでいた。「マウントゴックスがSECの調査対象だと聞くやいなや、この件は終わったとわれわれは確信した」と同氏はインタビューで振り返った。

  ベッセネス氏は間違っていなかった。大量のビットコイン消失というスキャンダルに見舞われたマウントゴックスは14年2月に破綻。そして今年1月、破綻手続きの大きな前進がようやく発表された。

コインラボ、マウントゴックス管財人と合意-ビットコイン回収巡り

  ベッセネス氏も仲介したこの合意は、法廷闘争が決着する前に、債権者が一部の資金を取り戻すことを認めるものだ。

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ピーター・ベッセネス氏

出典:CoinLab

  マウントゴックスから消失もしくは盗まれたはビットコインは、その後多くが見つかった。マウントゴックスの小林信明管財人が債権者への資金返還に向け取り組んだほか、ベッセネス氏が共同で創業したコインラボはMGIFLPと共に、破綻で凍結された残りのビットコインの最大90%について債権者が返還を請求することが可能になるよう作業を進めた。

  MGIFLPはソフトバンクグループ傘下の米投資会社フォートレス・インベストメント・グループの1部門。コインラボは破綻に絡みマウントゴックスに160億ドル(約1兆6700億円)相当の請求をしている。

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マウントゴックスのマルク・カルプレス元社長

  マウントゴックスのビットコイン消失事件を巡り、東京地裁は19年3月、データを不正に書き換える私電磁的記録不正作出・同供用罪で、マルク・カルプレス元社長に懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。

  ベッセネス氏によれば、コインラボは12年夏、カルプレス元社長から約1000万ドルでマウントゴックスを買収する取り決めをまとめたものの、同氏はその後「冷遇」され、マウントゴックスの米国とカナダ、メキシコの顧客を引き継ぐという契約に形を変えた。それでも同氏のチームはマウントゴックスの財務記録に適正なアクセスを得られなかったという。  

  ベッセネス氏はマウントゴックスが当時、世界のビットコイン取引の8割を扱っていたと説明。13年の契約発表後すぐに、コインラボはマウントゴックスを契約条件違反で訴えた。そしてその約1年後にマウントゴックスの85万ビットコイン消失が開示された。

  マウントゴックスは「兆ドル規模の会社となる可能性があった」と話すベッセネス氏は「とても残念だ」と打ち明けた。コインラボのマウントゴックスに対する請求額は、同社が適切に運営されていたらとの想定に基づく持ち分だという。

  マウントゴックスで最初に購入したビットコインが約5セントだったと言う同氏の見立ては、「仮想通貨のインパクトはまだ控えめ」というものだ。

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原題:‘Trillion Dollar’ Mt. Gox Demise as Told by a Bitcoin Insider(抜粋)

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