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日銀政策委員から長期金利の変動容認論、政策点検へ布石との見方

  • 運用ニーズ満たし金融安定に貢献、経済への影響は限定的との意見
  • 長期金利の変動拡大、金融機関経営にプラス-第一生命・熊野氏

日本銀行の政策委員会のメンバーから、イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)の運営について、操作対象である長期金利の一段の変動を容認することを通じてイールドカーブのスティープ(傾斜)化を促す意見が出始めた。

  日銀が29日に公表した20、21日の金融政策決定会合の「主な意見」では、3月をめどに結果を公表する政策点検に関し、長期金利(10年物国債金利)の変動を巡る複数の意見が紹介された。点検を表明した12月会合では、YCC運営について長期金利への直接の言及はなかった。

長期金利の変動を巡る意見
  • 上下にある程度の範囲で変動することは、市場機能を通じて金融機関の運用ニーズを満たすことで金融システムの安定に資する
  • 企業・家計による資金調達のうち長期金利の影響を受けるものの割合は高くないため、変動しやすくなった場合でも経済活動に与える影響は限定的

  第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「政策点検を受けて長期金利の変動幅を容認するための布石だろう」とした上で、「金融機関経営にプラスの影響を与える副作用対策の面がある」との見方を示した。

  黒田東彦総裁は21日の会見で、政策点検について「4年前の総括的な検証を踏まえ、その後の状況を含めて点検する」としたが、具体的な政策対応については言及を避けていた。

  YCC導入の根拠となった2016年9月の総括的な検証では、イールドカーブの形状が経済・物価に与える影響について、企業や家計の資金調達期間を基に「短中期ゾーンの効果が相対的に大きい」と指摘。一方、イールドカーブの過度なフラット化は「経済活動に悪影響を及ぼす可能性がある」と結論付けた。

  第一生命の熊野氏は長期金利の変動容認の具体策について「長期国債の買い入れ減額などで長期金利を上げるようなことはせず、米国など海外の長期金利の上昇に連れた日本の長期金利の上昇を容認していくことになるだろう」と指摘した。

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