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ANA、コロナ再拡大も貨物が支えに-10~12月営業赤字縮小 (訂正)

訂正済み
  • 3Q国際貨物収入は過去最高1016億円、自動車や半導体の需要が好調
  • コスト削減もさらに強化、通期5050億円の営業赤字見通しは据え置き

ANAホールディングス(HD)は29日、10-12月期の営業損益が815億円の赤字だったと発表した。新型コロナウィルスの感染再拡大による国内線の旅客需要への影響が出ている中、貨物便で大幅な増収を達成し、四半期ベースの赤字幅は縮小した。

Operations At Narita Airport As Japan's Entry Ban On Foreign Travelers Continues

成田空港に駐機する全日空の機体。緊急事態宣言の再発令などで再び大幅な減便をとなっている(1月19日)

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  赤字額はブルームバーグが事前に集計したアナリスト3人の同四半期の営業損益予想の平均値(860億円の赤字)を下回ったほか、4-6月期の1591億円、7-9月期の1219億円からも縮小した。5050億円の赤字としている今期(2021年3月期)の営業損益見通しは据え置いた。

10月-12月期実績

売上高:前年同期比55%減の2358億円(市場予想2302億円)

営業損益:815億円の赤字(市場予想860億円の赤字)

純損益:1211億円の赤字(市場予想715億円の赤字)

  新型コロナウイルス感染再拡大の影響で旅客需要が減少した中で、ANAHDの業績を支えたのは貨物便からの収入だ。10-12月期の国際線貨物収入は前年同期比88%増の508億円と過去最高を記録した。

  また、不透明な事業環境を受けて同社ではこれまで進めてきたコストカットをさらに強化。固定費と変動費の削減を拡大して通期のコスト削減額を従来の想定から150億円上積みし5580億円とすることを明らかにし、航空機の早期退役などに伴う事業構造改革費用として760億円の特別損失を計上した。

  ANAHDの福沢一郎常務は、秋以降は自動車関連や電子機器、半導体関連などの貨物需要が増加し「本格的に需要面で好調に推移してきた」と指摘。10-12月期は貨物需要が一番高い時期で1-3月期はやや「トーンダウンする」とみているとしながら、前年同期を上回るのは確実で来期以降も堅調な需要が「しばらく続くという認識は十分持っている」と話した。

ANAHDの10-12月期の営業損益は815億円の赤字

  航空評論家の鳥海高太朗氏は、ANAHDの10-12月期の貨物収入は4-9月期の半年間と売り上げがほぼ同じで「貨物が想定以上の収益を生み出している」とコメント。コストカットへの取り組みも含めて「運航便が少ないなかで、動きは速い」とした。10、11月は政府の観光支援策「GоTоトラベル」が国内線にプラスに働いたとも述べた。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェームス・テオ氏は、緊急事態宣言が2月7日に解除されたとしてもANAHDの1-3月期の旅客数の前年同期比での減少率は60%に達する見通しであることから、「6220億円としていた航空輸送事業の通期売上高予想も5%程度の未達に終わることになりそう」と予測。

  その上で、同氏は「2月末まで解除が延期された場合は、さらに深刻な影響を被る」とし、ANAHDの売上高は通期予想を8%下回る可能性があるとした。

  来月7日が期限となっている緊急事態宣言の延長について、西村康稔経済再生担当相は29日の記者会見で、来週の適切なタイミングで専門家らによる諮問委員会を開き、延長など「今後の対応を判断していきたい」と述べた。

(企業側の申し出により第3段落の国際線貨物収入の数値を訂正します)
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