村田製の今期営業益、最高の2900億円に-スマホやPC向け拡大
古川有希-
10-12月期のMLCC工場稼働率95%前後に上昇、この先調整局面も
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PCや自動車向けでコンデンサー、スマホ向けでモジュール受注拡大
村田製作所は29日、今期(2021年3月期)の営業利益を従来予想比16%増(前期比15%増)の2900億円に上方修正した。スマートフォンやパソコン、自動車向け需要の拡大が寄与する。通期ベースでの過去最高益を更新する見込み。

村田製作所
営業利益予想の上方修正は昨年10月に次いで2度目。ブルームバーグが集計した市場予想2709億円を上回る。
発表によると、製品供給先のスマホやPC、自動車メーカーで部品需要が前回予想を大きく上回り、営業利益を押し上げる。昨年10-12月期の受注高は主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)などコンデンサーがPCや自動車向けで大きく伸びたほか、モジュールもスマホ向けなどで拡大した。
竹村善人常務執行役員は決算会見で、10-12月期のMLCC工場の稼働率は95%前後だったと明らかにしたが、この先は調整局面もあるとみている。また、半導体の不足により自動車生産が調整されていることが同社に与える影響は「限定的なものになるだろう」と述べた。
今期の業績予想 |
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村田製はスマートフォンや自動車に搭載されるMLCCで世界シェアトップ。スマホの高機能化や第5世代通信規格(5G)関連需要を受け、モジュール事業にも注力している。ブルームバーグのデータによると米アップルや韓国サムスン電子、台湾の鴻海精密工業など幅広い顧客を持つ。
10ー12月期の業績 |
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