日本株は大幅続落、米国株不安定さ響きリスク回避-輸出中心広く売り
長谷川敏郎-
投機色強い米銘柄が時間外で反発-ロビンフッド取引制限緩和発表で
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アジア時間29日の米国株先物は大幅安、東エレクやキヤノンなど安い
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29日の東京株式相場は大幅続落。投機色の強い銘柄の動向を巡って米国株市場のボラティリティー(変動性)が高まっていることを受け、リスク回避の売りが次第に膨らんだ。電機や機械、輸送用機器など輸出関連中心に内外需とも売られ、東京エレクトロンやキヤノン、日本電産など直近決算銘柄も安い。
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〈きょうのポイント〉
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三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「ロビンフッダーVSヘッジファンドの構図が市場で注目されている。損失を抱えたヘッジファンドの売りがまだ残っているのではないか」と指摘する。日本株には直接的に影響はないとしながらも、「ファンドフローを通じて間接的に影響する。このところは米株が日本株を左右しているため、米国株が落ち着かないと日本株は買いづらい」と述べた。
個人の投機的取引の制限で米ゲームストップ株などが急落し、28日の米国株市場が落ち着きを取り戻したのを受けて日本株は朝方こそ上昇して始まった。ただ、株式取引プラットフォームのロビンフッドが一部銘柄について29日から限定的に購入を認める計画だと発表したのを手掛かりに、投機色の強い銘柄は時間外取引で急反発。シトロン・リサーチは米東部時間29日に「個人投資家が注目すべき」発表を予告した。アジア時間29日の米株先物が一段安となるとともに、日本株の下げも拡大した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは「米国での一部銘柄の投機的な動きは過剰流動性相場の弊害も想起させた。マネーゲームが起こるのは低コストのマネーがあふれているためだ」と言う。米国での投機については航空株や資源関連に向かうなど広がりをみせつつあるとし、「まだ火種は残っており、今後も極端な動きが出れば投資家のバブルへの警戒心が戻る可能性はある」とみていた。
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