7&iがドル建て債の条件決定、1兆円超に一時6.5兆円集まる
森田理恵、Jack Pitcher-
現時点で2021年のドル建て債として世界最大案件-ブルームバーグ
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調達した資金は米スピードウェイの買収費用に充てる
セブン&アイ・ホールディングス(7&iHD)が米子会社を通じて発行するドル建て債の発行条件を決めた。8本立ての発行総額109億5000万ドル(約1兆1400億円)に対し、関係者によるとピーク時には約620億ドルの需要が集まった。
調達した資金はコンビニ併設型ガソリンスタンドを展開する米スピードウェイの買収資金に充てる。米セブン-イレブンが発行する。

イリノイ州シカゴのセブン-イレブン店舗
ブルームバーグのデータによると、ドル建ての事業債として昨年11月に米ベライゾン・コミュニケーションズが発行した120億ドル以来の大きさになった。7&iHDにとっては昨年11月に円建てで3500億円を調達して以来の社債発行となる。
今回債は償還期間が1.5年で期限前償還が半年後に可能になる1.5年NC(ノンコール)0.5と、2年NC1、3年NC1、5年、7年、10年、20年、30年の8本立て。
各年限の発行額と発行条件は以下の通り。1.5年NC0.5のみ変動利付債。主幹事は、クレディ・スイスとSMBC日興証券、BofA証券、シティグループ、JPモルガン。
1.5年NC0.5 | 2年NC1 | 3年NC1 | 5年 | 7年 | 10年 | 20年 | 30年 | |
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発行額 | 15億ドル | 12.5億ドル | 22.5億ドル | 12.5億ドル | 10億ドル | 17億ドル | 7.5億ドル | 12.5億ドル |
発行条件 | 3カ月物LIBOR+ 45bp | T+55bp | T+65bp | T+60bp | T+65bp | T+80bp | T+100bp | T+105bp |
※T=国債、bp=ベーシスポイント(1bp=0.01%)
今回債は、ムーディーズ・インベスターズ・サービスから「Baa2」、S&Pグローバル・レーティングから「AA-」の格付けをそれぞれ取得した。
ムーディーズは今月、スピードウェイ買収で負債が増える可能性を理由に米セブン-イレブンの発行体格付けを「Baa1」から「Baa2」に引き下げた。S&Pは買収完了後に7&iHDと米セブン-イレブンの格付けを、それぞれ最大で2段階引き下げる可能性が高いと指摘している。