日銀総裁、保有ETFの含み益は12兆~13兆円-株価上昇で増加
伊藤純夫
更新日時
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日経平均2万1000円下回れば含み損に、購入手数料は約2000億円
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リスクプレミアムの過度な拡大局面で効果、現時点でやめる考えない
日本銀行の黒田東彦総裁は27日の参院予算委員会で、現在の株価水準から試算した保有ETF(上場投資信託)の含み益が12兆-13兆円であることを明らかにした。白真勲氏(立憲民主)への答弁。
総裁は日経平均株価が2万1000円程度で保有ETFの時価が簿価を下回るとしたほか、ETF購入に要した手数料が累計で約2000億円と説明した。

半期末ベースでみた日銀の保有ETFの含み益は、2018年9月末の7兆2045億円がこれまでの最大。昨年9月末時点では5兆8469億円となっていたが、その後の株価上昇で含み益が一段と膨らんだ。
日銀によるETF買い入れを巡っては、市場機能や日銀財務の健全性に対する問題などが指摘されている。総裁は昨春に新型コロナウイルス感染症の影響で市場が大きく不安定化した時など「リスクプレミアムの過度の拡大局面で効果があった」と指摘。現行緩和策の一環として実施しており、現時点で買い入れを「やめる考えはない」と語った。
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黒田東彦日銀総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
(詳細を追加して更新しました)
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