ファナック、今期営業益予想を1058億円に増額-中国や米州が回復
古川有希
更新日時
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FAや産業用ロボットがITやEV向けに拡大、営業利益率も上昇
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受注高は中国が2.7倍、米州が47%増-FA関連や自動車向け
ファナックは27日、今期(2021年3月期)の営業利益が従来予想比24%増(前期比20%増)の1058億円になる見通しだと発表した。上方修正は昨年10月に次ぎ今期2度目で、ブルームバーグが集計した市場予想869億円を上回る。中国市場の回復などで需要が増加する。

ファナックのロボット
Photographer: George Frey/Bloomberg
発表によると工場の自動化(FA)関連設備のほか、産業用ロボットなどの各部門でITや電気自動車(EV)向けの需要が拡大しており、営業利益を押し上げる。10-12月期の同利益率は稼働率の高まりから前年同期の16%から23%に上昇した。
21年3月期の業績予想 |
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昨年10-12月期の受注高は前年同期比44%増の1705億円に拡大。中国市場でFA関連や一般産業向けを中心に前年同期比2.7倍の598億円と大幅に増えたほか、米州でも自動車向けなどの需要から47%増の414億円となった。
山口賢治社長は決算会見で、中国市場について「春節を見越した発注が入っている」とし、今後も増勢を維持できるかには慎重な見方を示した。一方、米国市場では自動車関連でEV以外の引き合いもあるという。また抑制してきた研究開発費については成長のために必要とし、「どんどん使っていく」と述べた。
ファナックはFA関連や産業用ロボットを手掛け、工作機械に組み込む数値制御(NC)装置では世界シェアトップを握る。ブルームバーグのデータによると韓国サムスン電子やトヨタ自動車、台湾の鴻海精密工業など製造業に幅広い顧客を抱える。
10-12月期の業績 |
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日本工作機械工業会は21年の受注額を前年比33%増の1兆2000億円と予想している。
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(決算会見の内容などを追加しました)
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