日本株反落、ワクチン接種遅れ懸念や米刺激策期待後退-景気敏感安い
長谷川敏郎-
米保健当局がワクチン接種遅れ指摘、米メルクは2ワクチン打ち切り
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米経済対策案は3月半ばまでの通過目指す、好決算の日電産伸び悩む
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26日の東京株式相場は反落。主要企業の決算内容を見極めたいとして全般買い手控えムードが強い中、米国で新型コロナウイルスワクチンの接種遅れへの懸念や早期の追加対策期待が後退したことが響いた。自動車や機械、鉄鋼などの素材といった景気敏感業種中心に安い。
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〈きょうのポイント〉
三井住友DSアセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネージャーは「短期筋以外の投資家を動かす確信的なニュースフローが出ていない中で、国内でも決算が始まりだした。米国と国内のテクノロジー企業中心に決算の株価反応を見極めたいとのムードが強く、動きづらい」と述べた。
ワクチンに関する悪材料が重なったことで、朝方から売りが先行した。大和証券投資情報部の石黒英之シニアストラテジストは「メルクの新型コロナワクチン開発中止発表などで米国でワクチン接種ペースが鈍る懸念が出ている。景気敏感業種にマイナス」と述べた。また、シューマー米民主党上院院内総務は追加経済対策案を失業給付の特例措置が失効する3月半ばまでに議会で通過させたい考えを示し、早期の刺激策期待の後退からアジア時間26日の米株先物が軟調に推移したことも重しになった。
個別株では、今期営業利益予想を増額した日本電産が次第に伸び悩んだ。25日の米国預託証券(ADR)で大幅高となり、朝方の東京市場では一時4.6%高となる場面がありながら失速した。「アナリストのほとんどの強気数値すら上回ってきた決算に対する株価の反応を見ると、市場のハードルは高い印象。もしコンセンサス並みなら売られる企業が出てくるかもしれない」とも、三井住友DSアセットの金本氏は話していた。
- 東証33業種では海運や非鉄金属、鉄鋼、鉱業、輸送用機器が下落
- 電気・ガスや食料品、医薬品は上昇
