中国国債の指数組み入れ「論点整理し対応決定」-GPIF理事長
占部絵美、小田翔子
更新日時
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自らのポートフォリオの脱炭素化に取り組む必要もある
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基本ポートフォリオに忠実に運用、長期的な安定収益確保の王道
世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の宮園雅敬理事長は22日の記者会見で、FTSEラッセル社が世界的な債券ベンチマークへの中国国債を組み入れることへの対応について「法人内でよく論点を整理して、今後の対応を決めていきたい」と語った。
FTSEラッセルは10月から段階的に中国国債を世界国債インデックスに組み入れる予定。宮園理事長は「日本の投資家のコンサルテーション、意見を収集した上で、今年3月に最終的な決定を行うと認識している」と説明。GPIFとしては「結論が出たわけでもないし、前提を置いてコンサルテーションに臨んでいるわけでもない」と述べた。

宮園雅敬GPIF理事長
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
中国国債の組み入れに対しては、GPIFなど日本の一部投資家が難色を示している、とロイター通信が報じていた。
宮園理事長の他の発言は以下の通り。
アクティブ運用
- 長期的に利益向上に資する指数があれば採用していきたい
- アクティブ運用はある程度活性化することが市場全体の活性化につながる
- 確実なプラスアルファが取れる運用を目指して努力したい
ESG投資
- 環境・社会・ガバナンス(ESG)の中で、気候変動がとりわけ重要なテーマ
- 気候変動は全ての資産に降りかかってくる負の影響となり得る
- 自らのポートフォリオの脱炭素化に取り組む必要もある
- ESG活動は、長期投資の収益に資する、引き続き取り組んでいく
- 目標投資額はマーケットに対する影響もあるので回答を控える
植田栄治CIOとの役割分担
- 意思疎通を密にして、一心同体で業務に取り組んでいる
- 見通しや方向性について話すことは難しい
- 一心同体の片方である私が説明する役割を担う
国際金融都市
- 東京・日本のステータスの向上に大変重要なことである
- 国際金融都市自体を目的とした運用会社の選択はわれわれの目的とは一致しない
低金利環境
- 主要国で低金利・ゼロ金利・マイナス金利、当分の間は続く
- 金利のない金融環境の中で投資をしていかなければならない
- 基本ポートフォリオに忠実に運用、長期的で安定的な収益確保の王道
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(宮園理事長の発言を追加し見出しや構成を差し替えて更新しました)
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