アント・グループの企業価値、7000億元割り込む恐れ-中国の規制で
Bloomberg News-
アントの決済サービス、「アリペイ」の評価は半減する可能性も
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中国人民銀行、国内電子決済市場の寡占を抑える規則を提案

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中国電子決済市場の寡占を抑える当局の規則案が施行されれば、フィンテック大手アント・グループの企業価値が一段と縮小する可能性がある。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)が新たに試算した。
BIのシニアアナリスト、フランシス・チャン氏によると、当局の規制草案に基づけばアントの「アリペイ(支付宝)」決済サービスの価値が半減し、アントの企業価値は7000億元(約11兆2200億円)を下回る可能性がある。チャン氏は今月、アントの企業価値を1兆元未満と、従来の約1兆4400億元から下方修正した。
同氏は調査リポートで、「中国人民銀行(中央銀行)による独占禁止調査が入り、アント・グループの決済部門が分割を余儀なくされた場合、同社の企業価値はさらに落ち込む恐れがある」と分析した。
人民銀は20日に新たな規則案について、ノンバンクの決済企業が同市場の半分を占める場合、または2社でシェアが計3分の2に達した場合は独占禁止調査の対象になる可能性があると説明した。
独占が確認されれば、人民銀は事業タイプごとの企業分割など制限措置を講じるよう国務院に勧告することができる。決済ライセンスを既に持つ企業には、新たな規則に対応するため1年間の猶予が与えられるという。
アリペイは約10億人が利用しており、モバイル決済市場の55%を占めている。分割となればアリペイの価値6000億元は半減するとチャン氏は推計。アントが今年新規株式公開(IPO)に再挑戦できるのかも疑問だと続けた。
The Duopoly
Ant, Tencent dominate mobile payments market in China
Source: iResearch data as of June. 30
原題:Ant Group’s Valuation Seen Dropping to $108 Billion on Crackdown(抜粋)