ドル・円はリスクオンで下落、103円台前半-日銀会合結果の反応限定的
野沢茂樹
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=103円台前半に下落。バイデン米大統領の就任を受けて追加経済対策への期待からリスク選好の動きが広がり、ドルと円がともに弱含む中、ドル・円ではドル売りが優勢となった。日本銀行がこの日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めたが、相場の反応は限定的だった。
|

市場関係者の見方
上田ハーロー外貨証拠金事業執行担当役員の山内俊哉氏
- 米新政権の発足で経済対策への期待から株が高くリスクオンとなっているが、米長期金利はその割には上がらないので、ドルは売られやすく、円はいつものようにドルと同じ方向に動いている
- 米長期金利の上昇が今のところ限定的にとどまっているため、市場参加者の多くは緩やかなドル安基調が続いているとみているようだ
- 日銀の金融政策決定会合、景気が悪化しても追加緩和の手段が限られているので、為替市場全体が日銀を軸にした動きにはなりにくい
ドイツ証券の外国為替営業部の小川和宏ディレクター
- バイデン新政権の大型財政出動への期待でリスクオンの株高なのに、米金利はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の緩和長期化発言もあって上がらないのでドルが全面安に
- 日銀の3月点検に向けて黒田東彦総裁が記者会見でどうコメントするのか。打つ手が限られる手詰まり感はあるものの、一定の注意が必要
- 欧州中央銀行(ECB)がきょうの金融政策決定会合で何か出してくるとは想定していないが、ラガルド総裁の記者会見内容には注目したい
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- 日銀会合は予想通り何もなかったし、株高や為替の安定を考えると今後も政策変更は考えにくい
- 注目点は黒田総裁の記者会見で3月点検に向けた考え方や一部観測報道が出ている長期金利の変動許容幅拡大に関してどう説明するかだろう
背景
- 日経平均株価は前日比233円高で取引を終了。米株価指数先物は時間外取引で堅調な値動き
- 米10年物国債利回りは時間外取引で一時1.07%台に低下
- バイデン氏が第46代米大統領に就任-演説で「結束」呼び掛け
- バイデン米大統領、トランプ政権下での政策を速やかに巻き戻しへ
- 日銀が金融政策の維持決定、20年度の成長率見通しを下方修正
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE