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ワシントン去るトランプ氏に不名誉の烙印-分断とコロナ失策

更新日時
  • 20日午前ワシントン出発、バイデン次期大統領の就任式前に別荘到着
  • 大統領の責任から完全に逃れられない-2回目の弾劾裁判控え

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トランプ米大統領は20日、就任時よりも鮮明になった政治的分断と高い失業リスクの中に国民を残し、首都ワシントンを後にする。自身は2回目の弾劾裁判を控え、米国の歴史を振り返っても特に波乱に富んでいたトランプ政権は不名誉な終わりを迎える。

  トランプ氏は同日午前に出発し、バイデン次期大統領の就任式前にフロリダ州パームビーチにある自身の別荘マールアラーゴに到着する計画だ。肩書きが前大統領となっても、少なくとも一時的に元ホワイトハウススタッフに囲まれて新生活を開始することになる。

トランプ氏、マールアラーゴに居住の計画-一部の現スタッフ雇用へ

  後任の就任式に出席しない米大統領は1869年のアンドルー・ジョンソン以来となる。米国の平和的な政権移行を印象付けてきた100年超の伝統をトランプ氏は破るわけだが、バイデン氏は宣誓就任の場にトランプ氏がいないのは「良いことだ」と語っている。

  バイデン氏は19日にワシントン入りし、ホワイトハウスと道を隔てて斜め向かいに位置する迎賓館のブレアハウスで同日夜を過ごす。しかし、トランプ氏はバイデン氏と会う予定はないと事情に詳しい関係者は述べた。トランプ氏と96歳のジミー・カーター氏を除き、生存する全ての大統領経験者が就任式後にアーリントン墓地をバイデン氏とともに訪れ、無名兵士の墓に花を手向ける。

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テキサス州アラモで国境の壁を視察した後に話すトランプ大統領(1月12日)

  トランプ氏支持者らが連邦議会議事堂に乱入した6日の事件後、同氏はワシントンで、忠実な支持者以外からは距離を置かれる存在となった。5人が死亡した事件を引き起こしたのは、昨年11月の大統領選でのバイデン氏勝利の受け入れを拒否したトランプ氏の行動だ。

トランプ氏が政界から消え去ることを望む、米国民の3分の2が回答

  米国での失業者数はトランプ氏就任時に比べ3分の1以上多いほか、同氏が20日にホワイトハウスを去るまでには新型コロナウイルスによる死者が約40万人に達する見込みだ。

  一方でトランプ政権下の米株式相場は、最後の年にパンデミック(感染の世界的大流行)の打撃を受けたものの、4年間に驚異的な上昇を記録した。S&P500種株価指数は1月15日までに66%上昇。ナスダック総合指数は135%上昇した。

  トランプ氏が去ろうとしているワシントンは乱入事件を受け、民主主義国家の首都というよりも軍事基地のような様相を呈している。何千人もの州兵が街路をパトロールし、議事堂とホワイトハウスおよび周辺の広い地域は立ち入り禁止になっている。

McConnell Holds Trump's Fate As Impeachment Heads To Senate

連邦議会議事堂の前を行く州兵(1月14日)

  そしてトランプ氏も大統領の責任から完全に逃れられるわけではない。議事堂乱入事件で支持者に暴動を扇動した罪を問われている同氏は、2回目の弾劾裁判を闘わなければならない。

  ノーマルと認められるぎりぎりのラインを常に試し、政治と人種間の分断を広げたトランプ大統領らしい、波乱に富む政権の終わり方だ。

異色の大統領経験者、市民トランプを待つ未来-弾劾や訴訟で波乱も

  選挙の不正を訴える根拠のない主張によって暴動が起こったことは、故意であったかどうかにかかわらず、トランプ氏が米国の周縁部に潜んでいた暗い力を解き放ったことを示している。

  トランプ氏はツイッターなど主要なソーシャルメディアから排除されているため、退任後に注目を集めるのは難しくなる。弾劾裁判は20日のバイデン次期大統領就任から間もなく始まる可能性があり、有罪となればトランプ氏は二度と公職に就けなくなる可能性がある。

原題:Trump Leaves Town an Outcast, Trailed by Pandemic, Job Losses(抜粋)

(第7段落に株式相場について追記。更新前の記事で、カーター氏の年齢を訂正してあります)
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