新興国通貨、ドル上昇に試される展開-バイデン氏の大統領就任控え
Farah Elbahrawy、Simon Flint、Sydney Maki-
ドルは先週まで2週連続上昇-大半の新興国通貨は値下がり
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ワクチンの効果が期待下回ればドル上昇の可能性-ゴールドマン
バイデン次期米大統領の就任を控え、新興国通貨はドル上昇に試される展開となっている。
バイデン次期大統領が公表した1兆9000億ドル(約197兆円)規模の経済対策案を受け、ドルは先週まで2週連続で上昇。この間に大半の新興国通貨は下落しており、歴史はさらに痛みが続く可能性を示唆している。

MSCI新興国通貨指数は2020年10-12月(第4四半期)に四半期ベースで10年ぶりの大幅な上げとなった。新型コロナウイルスワクチンの普及を巡る楽観的見方がリスク選好を後押しした。しかし今では、感染増加やロックダウン(都市封鎖)再導入、ワクチンを巡る懸念によってこうした流れが反転する恐れがある。
「ワクチンの効果が期待に届かず、世界経済が失速した場合、安全資産のドルが上昇する可能性がある」とゴールドマン・サックス・グループのザック・パンドル氏らストラテジストがリポートで指摘した。
ただ、ストラテジストらは今年について「幅広いドル安を予想」している。リスク資産へのエクスポージャーや商品相場上昇が、米金利上昇よりも大きな影響を及ぼす可能性があるためだと説明した。
原題:
Emerging Markets Tested by Rising Dollar Ahead of Biden’s Return(抜粋)