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600ドルの給付金で泡立つ米株式市場、続いて1400ドルなら一層膨張も

  • 1400ドルの追加給付、米国民1.5億人余りが受け取る可能性
  • 既に存在するバブルが一段と膨らみかねない-チェッキーニ氏

米国政府は今月の早い時期に600ドル(約6万2000円)の現金給付を行ったが、そのころ市場では次のようなことが起きていた。低位株の取引急増、イーロン・マスク氏のツイートに端を発した勘違いで一つの企業の株価が急騰、テスラの時価総額1300億ドル増加、新規株式公開(IPO)銘柄の急伸、オプション取引の大幅増などだ。

  これは偶然の一致かもしれないが、そう考えない人は多い。このところ市場で大きな動きがあれば、ほとんどの場合に投資資金を手にした小口トレーダーの姿がその周辺にあることに気付かざるを得ないためだ。現在、連邦政府による追加の支援が行われる可能性があり、ウォール街のプロたちは次の動きに備えている。

  アルファオメガ・アドバイザーズの創業者でチーフストラテジスト、ピーター・チェッキーニ氏はインタビューで「追加の1400ドルが以前と同じレベルの所得層に給付されれば、株式市場でさらに投機的な動きが見られる可能性が極めて高く、既に存在するバブルが一段と膨らみかねない」と語った。平均所得未満の人々への給付であれば投機的動きの可能性は低下するとも指摘した。

  ただ、現金給付を受けた人は受けない人に比べ株式市場に投資する可能性が高いことがデータで示されている。エンベストネット・ヨドリーのデータによれば、現金給付を受けた全ての所得層で、1月最初の10日間は昨年12月初めとの比較で取引が約3割増加。給付を受けた年収7万5000ドル未満の人々による取引は53%増となっている。

  バイデン次期大統領が14日公表した1兆9000億ドル規模の追加経済対策案では、昨年12月に決まった600ドルに続き1400ドルの現金給付上積みが盛り込まれ、1億5000万人余りが対象となる可能性が高い。

  ゴールドマン・サックスのデータによると、小口投資家が選好する銘柄のバスケットは昨年12月末から10%高と、S&P500種株価指数およびヘッジファンドが選好する銘柄のリターンをいずれも9ポイント余り上回っている。

Retail-favorite stocks are besting both the pros's picks and the S&P 500

  一段の刺激策が必要ないとは誰も言っていない。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による米経済の打撃は引き続き示されている。ただ、1400ドルの給付対象範囲を考えると、生活必需品の購入ではなく、貯蓄や投資に回せる人も受け取るのは避けられない。

  金融サービス部門で働くボストン在住のアバ・フランケルさん(23)もその1人で、インタビューに対し「600ドルの給付は自分にとっておまけのようなものだったため株式市場に投じた」と語った。1400ドルを受け取った場合、市場の状況次第としつつも、また取引に使うことを検討しているという。

  フランケルさんの1400ドルだけで波紋は起きないが、給付金を受け取る国民の一部が同様の行動に出れば、既に形成されているとも言われるバブルが膨らみかねないとローガン・キャピタル・マネジメントは指摘。マネジングディレクターのクリス・オキーフ氏は「かつては経済に資金が供給されると自動車や家具などの購入に使われたが、今は金融市場の動きを増幅させるようだ」と語った。

原題:Stock Froth Boiled After $600 Checks. Now $1,400 May Be Coming(抜粋)

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