【債券週間展望】長期金利に低下圧力、日銀会合や20年債入札期待で
三浦和美1月第3週(18日-22日)の債券市場では、長期金利に低下圧力が掛かる展開が予想されている。日本銀行の金融政策決定会合を控えて、現行の緩和策長期化が意識されやすいほか、20年債入札では投資家からの需要が期待されていることが背景にある。
市場参加者の見方
◎三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミスト
- パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が債券購入のテーパリング(段階的縮小)議論に釘を刺したことで米金利の上昇に一服感が出てきたことは大きい
- そうした中で迎える20年債入札は足元の利回り水準での投資家需要も期待され、良好な結果が見込まれる
- 日銀のスタンスも3月の政策点検に向けて、現行緩和策の持続性を担保するための修正ということが強調される可能性があり、債券の買い安心感につながるとみられる
- 長期金利の予想レンジは0.01%~0.04%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、引き続き利回りの大幅上昇は見込みづらい
- 日銀の金融緩和策は長期化する見通しにあり、国債買い入れオペや投資家の押し目買いが相場の下値を支えるだろう
- 20年債には幅広い投資家からの需要が見込まれ、これまで通り入札の消化に問題はないだろう
- 長期金利の予想レンジは0.02%~0.05%
国債入札予定
年限 | 発行予定額 | |
---|---|---|
19日 | 20年 | 1.2兆円程度 |
22日 | 流動性供給(残存1年超5年以下) | 4000億円程度 |
日銀オペ予定
対象年限 | 直近の通知額 | |
---|---|---|
20日 | 1-3年 | 4500億円 |
3-5年 | 4200億円 | |
5-10年 | 4200億円 |
主な材料
- 18日:通常国会召集
- 18日:昨年10ー12月の中国国内総生産(GDP)
- 19日:米上院財政委、イエレン氏の財務長官指名承認公聴会
- 20日:バイデン氏が米大統領に就任
- 21日:日銀金融政策決定会合、終了後に結果と展望リポート発表。黒田東彦総裁が会見
- 21日:欧州中央銀行(ECB)政策金利発表・総裁記者会見
- 22日:12月の全国消費者物価指数(CPI)
- 22日:ECB専門家予測調査
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