ファイザーのワクチン、順調なら2月中旬に承認へ-田村厚労相
延広絵美、Isabel Reynolds-
1月中に国内治験データ提出、海外治験と合わせて最終判断
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モデルナは1月下旬に国内治験開始、申請後は海外データ先行審査も
田村憲久厚生労働相は、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、安全性と有効性が確認できれば、2月中旬には国内で承認するとの見通しを示した。

田村憲久厚生労働相
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
田村氏は15日のブルームバーグとのインタビューで、早期の接種開始に向け、承認を「なるべく早くやらないといけない」とした上で、「2月中旬くらいには、順調にいけば承認が下りればよいと思う」と語った。ファイザー社から1月中に国内治験データが届く予定で、先行して審査している海外治験データと合わせ、最終的に判断すると話した。
政府は2月下旬までに、ワクチン接種を開始する方針を示している。菅義偉首相は13日の記者会見で、接種に向けて「各自治体で会場の設定などの準備に入っていただいている」と述べた。医療従事者から始め、次に高齢者を優先する。
ファイザーは日本政府と1億2000万回分(6000万人分)のワクチンを6月末までに供給することで合意している。海外では英国で昨年12月に承認され接種が始まったほか、米国やカナダなどでもすでに実施されている。
英国では、1人2回の接種が必要なファイザー社のワクチンに関して、1回目の接種を広く行き渡らせるため、2回目の時期を遅らせている。田村氏は、日本で同様の方式は「考えていない」と話した。

ワクチン
Photographer: Nathan Laine/Bloomberg
政府は米モデルナ、英アストラゼネカともワクチン供給契約を結んでいる。田村氏によると、モデルナの国内治験は1月下旬に開始。承認申請があれば、ファイザーのワクチンと同様に海外治験データを先行して審査し、早期承認を目指す可能性もあるという。