クオンツのモメンタム取引で米国株高後押しも、ローテーション顕在化
Justina Lee-
リフレ期待が市場の勝者と敗者に変化もたらす
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モメンタム投資家はディフェンシブ銘柄より景気敏感株に
ウォール街のリスクオン・ムードを受けた株式ローテーションが、モメンタム取引で顕在化し始めており、価格トレンドに乗るクオンツ投資家が新年の株高をさらに後押しする土台がつくられつつある。
リフレトレードの熱狂が市場で一段と支配的となる中、クオンツ投資家はトレンド追随戦略をバランス調整し米国の消費関連セクターに賭ける一方、ヘルスケアなどディフェンシブ銘柄の下落を見込む態勢のようだ。
投資マネーはここ数カ月、経済成長から利益を得る景気敏感株に流れ込み、比較的安全とされるディフェンシブ銘柄から離れている。ただモメンタム戦略はそうしたトレンドを取り込むのに時間がかかるため、依然としてテクノロジー株に大きく傾斜している。
そうした状況は緩やかに変化しつつある。エバコアISIの分析によると、モメンタム投資による一般消費財銘柄へのエクスポージャーは昨年10月の22%から今月は37%に上昇。新型コロナウイルス感染拡大に見舞われた昨年の市場で資金の避難所とされたヘルスケアのウエートは17%から4%に減少した。
エバコアのストラテジストらはリポートで、「モメンタム要因はグロース株からそれ始めている。これはモメンタムの様相変化に関係しており、今はテスラや景気敏感株がけん引役だ」と分析した。

出典:Evercore
出典:Evercore

Changing Composition
Momentum's rebalancing may favor more cyclical stocks
Source: Bloomberg
Dates are based on 12-1 months
原題:Quant Momentum Trades Are Starting to Join the Stock Rotation(抜粋)