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「ユニクロ」の販管費比率改善など寄与、Fリテイリが23%増益

更新日時
  • 防寒衣料中心に販売好調、国内や中華圏で値引率や販管費率改善
  • 時価総額が一時10兆円に、首位のインディテックス迫る水準

衣料品チェーンの「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは14日、第1四半期(9-11月期)の営業利益が前年同期比23%増の1131億円だったと発表した。国内や中国、台湾のユニクロ事業で売上高に対する販管費比率が改善したことなどから大幅な増益となった。

Black Friday Retail At Russia's Largest Shopping Mall

モスクワのユニクロ店舗(2020年11月)

Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg

  ブルームバーグが集計したアナリスト5人の予想の平均1015億円を上回った。同社の発表によると国内ユニクロ事業では、旺盛な巣ごもり需要によりヒートテック毛布など秋冬向け商品の販売が好調だったほか、ジル・サンダー氏とのコラボ商品などが人気を集めたことも寄与した。インターネット通販の売上高が同48%増となったことも後押しした。

  同事業では、売り上げが好調だったために過度な値引きを抑制したことで利益率が改善したほか、効率的な倉庫運営による物流費の削減や広告宣伝費の削減を進めたことで販管費比率が改善した。しかし、11月末の在庫水準は前年同期末比で6億円増加しており、秋物在庫にやや過剰感があることから、2021年春にかけて値引き販売を強化し適正化する予定としている。

  海外ユニクロ事業では、中国大陸と台湾で防寒衣料の販売が好調で、国内と同様に値引き販売の抑制による粗利益率の改善などが奏功し、大幅な増益となった。さらに、赤字だった韓国では不採算店舗の閉鎖による賃借料の減少や経費管理の強化で営業黒字となった。ジーユー事業も増益となった。

  新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう欧米では米国、英国、イタリア、ベルギーなど複数の国で店舗の臨時休業が影響し、売り上げが計画を下回った。同社によると、在庫の適正化には21年秋冬シーズンまでかかる見通しだ。

  クレディ・スイス証券アナリストの風早隆弘氏は決算発表前の電話取材で、サイズの違いがあり欧米で売れ残った商品は「日本では売れない」と在庫消化の難しさを指摘する。今後、欧米地域の在庫水準の高さが全体の業績に影響するリスクがあるとの見方を示した。

時価総額一時10兆円超え

  同社の株価は決算発表前の取引時間中に、一時9万5310円まで続伸し上場来最高値を更新。時価総額も一時10兆円を超え、アパレルチェーンで世界首位の「ZARA(ザラ)」ブランドを展開するスペインのインディテックスに迫った。

  欧州のライバルとは異なりFリテイリは中華圏での事業の比重が高く、経済回復の恩恵も享受しやすい。岡﨑健最高財務責任者(CFO)は決算発表会見で「われわれはアジアの経済成長に賭けてきた企業」であり、「アジアの成長はわれわれの成長につながる」とコメントした。

  今期(2021年8月期)の業績予想は従来予想の水準に据え置いた。国内や中華圏のユニクロ事業で大幅な増益となることから、現時点では上期(9-2月期)の業績は計画を上回る見込みだという。

  一方で、株価の高さを警戒する声もある。ジェフリーズ証券のアナリスト、 マイク・アレン氏は13日付の英文リポートで、Fリテイリの株価は10月以降40%上昇しており、「これ以上のサプライズはもう出てこないところまで来ている」として同社株の投資判断を「ホールド」から「アンダーパフォーム」に引き下げた。

第1四半期業績の要旨
  • 売上高:0.6%減の6198億円(市場予想6335億円)
  • 営業利益:23%増の1131億円(市場予想1015億円)
  • 純利益:0.7%減の704億円(市場予想674億円)
  • 国内ユニクロ事業の営業益は56%増の600億円
  • 海外ユニクロ事業の営業益は9.5%増の414億円
  • ジーユー事業の営業益は9.9%増の136億円
  • グローバルブランド事業の営業損益は2億円の赤字(前年同期は18億円の黒字)


(アナリストのコメントを追加して記事を更新します)
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