ジョンソン首相、日曜にサイクリング-国民にはロックダウン順守求め
Tim Rossジョンソン英首相は国民にロックダウン(都市封鎖)規則を守ってもらう上で失敗を犯した。
首相は10日、ウェストミンスターの官邸から7マイル(約11.3キロ)離れたロンドン東部のオリンピックパークで、セキュリティーガードと一緒にサイクリングをしているところを目撃されてしまった。
政府のガイドラインは、屋外での活動を控え自宅周辺の地域内のとどまることを求めている。首相と側近らは11日、国民が制限を無視し続ければ、より厳しい封鎖が必要になる恐れがあると警告した。

自転車に乗ったジョンソン首相(左、2020年7月)
写真家:ゲッティイメージズ経由のルイビエイラ/ AFP
夕刊紙イブニング・スタンダードなどによって首相の行動が報じられると、首相府には質問が殺到したが、首相府は首相が出かけた理由を説明することができなかった。
結局ハンコック保健相が、運動のために家から7マイルのところに出かけるのは許容範囲だと説明。 「散歩やサイクリングに行くのはいいが、地元にとどまってほしい」と記者会見で訴えた。
首相のサイクリングは、新型コロナウイルスが制御できず病院が逼迫(ひっぱく)する現在は英国にとって「危険な」瞬間だという自身の政府のメッセージを弱める恐れがある。
ジョンソン首相と政府当局者らは11日、規則に従い外出を控えるよう国民に訴えるのに時間を割いた。しかし、首相自身がルールを曲げていると感じれば国民はなぜ自分たちだけが責任ある行動を取らなければならないのか自問し、規則違反が急増。感染拡大をさらに加速させる恐れがある。さらに、ワクチン接種を受けるようにという呼び掛けへの信頼まで損ないかねない。
首相がロンドン東部までは車で行ったのかどうかなど、10日午後のサイクリングの詳細は明らかになっていない。
原題:
Johnson’s Cross-London Bike Ride Threatens His Own U.K. Lockdown(抜粋)