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電力不足続く、全国的に予備率1桁-Jパワーなど株価続伸

更新日時
  • 13日分のスポット電力価格、前日比2.9%高の154.57円と最高値更新
  • 効率利用を呼び掛け-現時点ではどうにか対応できる状況と経産相

年末から続く寒波の影響で全国的に電力の需給状況が逼迫(ひっぱく)した状況は12日も続く見通しだ。電力の業界団体が節電を呼び掛ける一方で、日本卸電力取引所(JEPX)で取引されるスポット価格は史上最高値を更新した。

  日本全体の需給調整などを担う電力広域的運営推進機関の取りまとめによると、ピーク時の需要に対する供給余力を示す予備率が沖縄電力管内を除く全地域で1桁になる見通し。関西電力、四国電力、東北電力管内では安定供給のために最低限必要とされる3%まで予備率が低下するほか、東京電力ホールディングス(HD)など5電力管内で予備率が4-5%になる。

Heavy snow in Japan

福井市の積雪(11日)

Photographer: Naoya Masuda/The Yomiuri Shimbun/AP Images

  電力大手10社で構成する電気事業連合会は10日付で、3連休明けの12日は悪天候が見込まれ需給状況がさらに悪化する可能性があると発表。そのため、暖房などの利用は継続する一方で「日常生活に支障のない範囲で、照明やその他電気機器のご使用を控えるなど、 電気の効率的な使用」をするよう呼び掛けた。

  梶山弘志経済産業相も12日の会見で、消費者に対して「暖房の利用など普段通りの生活」を続ける一方で「電気の効率的な使用」の継続を呼び掛けた。その上で、現時点では効率的な利用で「どうにか対応できる状況にある。節電要請までに至っていない」との認識を示した。

  需給の引き締まりを受けて電力のスポット価格は高値での取引が続いており、12日のJEPXの翌日受け渡し分の価格(全国24時間平均)は1キロワット時(kWh)当たり前日比2.9%高の154.57円と史上最高値を更新した。スポット価格高騰により、JEPXからの電力供給に大きく依存する一部の電力小売り事業者の経営に大きな影響が出る可能性がある。

JEPXのスポット価格は12日、前日比2.9%高の154.57円と続伸

  大和証券の西川周作アナリストは8日付のリポートで、「JEPX価格連動プランのような一部の契約を除けば、小売価格への転嫁は難しいだろう」との見方を示した。スポット価格の高騰のみでは政策や世論の動きは限定的と分析した上で、「多数の小売事業者の経営に大きな影響が出るようであれば、救済などの手だてが講じられる」可能性もあると述べた。

  電力卸売り最大手の電源開発(Jパワー)の株価は12日、5%高の1780円と、2020年7月17日以来の高値で取引を終えた。西川氏は、JEPXの月間平均価格が1kWh当たり1円上振れることで同社の経常利益を8億円程度押し上げると試算している。東電HDの株価終値も9%高の328円と、昨年3月25日以来の上昇率を付けた。

  電力不足の状況を受け、Jパワーは石炭を粉砕する機器の不具合のため7日から停止している松島発電所の2号機について、重油を燃料として14日に同設備の稼働を再開すると明らかにした。同社の広報担当者によると、通常時は定期検査などの停止後の設備の立ち上げ時の燃焼を助けるために重油を使用している。

  卸売価格の高騰による一部の電力小売事業者の経営行き詰まりを見据えた動きも出てきた。電力小売り事業などを手掛けるLOOOPは8日、JEPX価格の高騰で競争環境が厳しくなっていることから、事業譲渡などの検討をしている他の新電力向けの相談窓口を設置したと発表した。

(予備率や株価などを更新します)
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