ドル・円は続伸、米財政出動の観測受けた米金利上昇で-一時104円
野沢茂樹
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は小幅に続伸。バイデン次期米政権による大規模な財政出動の観測を背景とした米長期金利の上昇を受け、ドル買い・円売りが優勢となった。
ハイライト |
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市場関係者の見方
IG証券の石川順一シニアFXストラテジスト
- 米民主党が上下院を制してバイデン次期米政権の政策実行力が飛躍的に向上したことが金利上昇を通じてドル買い戻し要因に
- 日本時間今夜の米雇用統計が市場予想を上回った場合、米金利がさらに上昇してドルの買い戻しが強まる可能性
- ただ、新型コロナウイルスの感染拡大抑制策を先行させる可能性や米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和もあり、米金利がこのまま上昇を続けるとは考えにくい
- 日本の緊急事態宣言が相場に及ぼす影響はほとんど見られない
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長
- ドルがほぼ全面高となっているのはバイデン次期米政権の発足が確実になったことを受けた米長期金利の上昇がきっかけ
- リスクオンで株高だと今まではドル売りだったが、足元では米金利上昇でドル高の展開。市場は今は株高より米金利上昇を重くみている
- ユーロなどに対するドル売りポジションがかなり膨らんでいたのが巻き戻される動きが出ていることもドル高につながっている
- 米地区連銀総裁らがこのタイミングでテーパリングに言及し出したのは不思議。米長期金利の上昇をさほど気にしていないのか、株高の行き過ぎをけん制する意図があるのか
背景
- 米10年国債利回りは時間外取引で一時1.0983%と昨年3月以来の水準に上昇
- 米債券購入テーパリング、予想より早く開始も-アトランタ連銀総裁
- 日経平均株価は前日比648円高で取引を終了。米株価指数先物は時間外取引で上昇
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