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ジャック・マー氏、中国ハイテク企業のケーススタディーに-共産党が統制強化

  • 「優れた起業家は国家に対する強い使命・責任感」必要-習総書記
  • 共産党はテクノナショナリストのイニシアチブを強化とカプリ氏指摘

中国のテクノロジー企業は共産党から独立して事業運営がなされていると世界の投資家をうまく納得させてきた。だが今、中国企業の懐疑派にとって、馬雲(ジャック・マー)氏がケーススタディーになった。

  アリババグループテンセント・ホールディングス(騰訊)などの企業は国家の干渉を全くあるいはほとんど受けずに、国外での買収に巨額の資金を投じ、欧米の競合企業に挑むアプリやテクノロジーを開発してきた。

  ただ、ワシントンの対中強硬派が以前から主張しているのは、習近平党総書記(国家主席)の手が届かない中国の大手テクノロジー企業はなく、そうした起業家もいないということだ。フィンテック企業アント・グループの新規株式公開(IPO)を控えていた馬氏に批判された中国政府が同氏やアントを追い詰めていることが、米国の中国懐疑派に対応を促していることは間違いない。

  事情に詳しい関係者によれば、米当局は今、アリババとテンセントへの投資を禁止するかどうか議論している。禁止となれば、グローバルな投資家によって幅広く株式が保有されている両社には大きな打撃となる。

  トランプ米大統領はすでに5日、アントの「アリペイ(支付宝)」を含む8つの中国のデジタル決済プラットフォームとの取引を禁止する大統領令に署名した。テンセントの「QQウォレット」と「ウィーチャットペイ(微信支付)」も対象となった。

Trump Order Would Ban Transactions With Chinese Payment Apps

トランプ米大統領が禁止を命じた中国のソフトウエア・アプリケーション

写真家:ロイ・リュー/ブルームバーグ

  北京に拠点を置くマーブリッジ・コンサルティングのマネジングディレクター、マーク・ナトキン氏は「誰の責任で、最終的に誰が規制をコントロールし、誰がライセンスを管理するか、非常に注意する必要がある。それを忘れて、過度に批判的になり始めたり、通常は党に帰す役割に首を突っ込み過ぎたりすると、手ひどくやられることになる」と指摘する。

Key Speakers at Viva Technology Conference

馬雲(ジャック・マー)氏

写真家:Marlene Awaad / Bloomberg

  スタンフォード・サイバー・ポリシー・センターのプロジェクト「デジチャイナ」の編集を担当するグラハム・ウェブスター氏は「中国政府の経済・金融管理インフラには大きな力があり、アントがその力を侵食しようとするなら、要人たちは踏み込み過ぎだと見なすだろう」と話す一方で、「中国政府はまた、これらの大手企業をテクノロジー自立の推進力として高く評価している。党はそれらを壊す重大な脅しであることを認識しなければならないだろう」の見方も示す。

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  習総書記は昨年7月、テクノロジー業界を含めた企業の幹部に対し、もっと愛国的になり、新型コロナウイルス流行後の景気回復を手助けするよう珍しく直接訴え掛け、「優れた起業家は国家に対する強い使命・責任感を持ち、事業の発展を国の繁栄と国民の幸福に沿うものにしなければならない」と述べた。

  数週間後、共産党は工作組織「統一戦線」のネットワークを実業界にさらに拡大することで民間部門の管理を厳しくする計画を明らかにした。公表されたガイドラインによれば、「イデオロギー指導を強化」し、「危機的な時期に信頼できる民間部門のリーダーの中核グループをつくる」政策だという。

  ヒンリッヒ財団のアレックス・カプリ調査員は、習総書記の下で「中国共産党はテクノロジー企業に対する統制を引き締め、テクノナショナリストのイニシアチブを強化する」とともに、「党の役人を名の知られた企業の社内に配置することに加え、党の指示から独立して事業運営しているか影響力が強過ぎると見なされる目立つ企業幹部の去勢を続けている」と分析している。

Xi Jinping HP

習近平氏

写真家:Krisztian Bocsi / Bloomberg

原題:Xi’s Push Against Jack Ma Sparks New Threat for China Tech (1)(抜粋)

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