【米国市況】株続伸、議事堂混乱で上げ縮小-10年債利回り1%超
Rita Nazareth、Claire Ballentine
6日の米株式相場は上昇。ただ、米連邦議会議事堂がデモ隊の殺到によりロックダウン(封鎖)状態に置かれ、大統領選の結果認定を行う審議が中断されたのを受け、日中高値を大きく離れて引けた。
|
S&P500種株価指数は一時1.5%上昇する場面もあったが、上げ幅を縮小。ジョージア州で行われた連邦議会上院2議席の決選投票の結果、民主党が上下両院ともに支配しそうだとの見方が強まり、財政支出の拡大観測から日中は最高値を更新する勢いだった。「リフレトレード」が活発になり、小型株や銀行株など景気回復の恩恵を受ける銘柄が買われた。一方、テクノロジー株は軟調だった。
S&P500種は前日比0.6%高の3748.14。ダウ工業株30種平均は437.80ドル(1.4%)高の30829.40ドル。ナスダック総合指数は0.6%下落。
ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。3月以来で初めて1%を上回った。刺激策拡大により景気が持ち直し、インフレを誘発するとの見方が強まった。
民主党が上院の多数議席を6年ぶりに奪還すると、米主要メディアは6日夕に報じた。一方、連邦議会議事堂は建物を取り囲むバリケードをデモ隊が突破したためロックダウン状態に置かれた。大統領選の選挙人投票の集計と結果認定を行う上下両院合同会議を進行するペンス副大統領は議場を離れた。
EPウェルス・アドバイザーズのポートフォリオ戦略ディレクター、アダム・フィリップス氏は「投資家心理の高まりは際限なしのようだ」と指摘。「昨夜の選挙結果を受けたリフレーショントレードが市場を動かしているのは明白だが、リアルタイムで起きていることを無視するには特別な目隠しが必要だ」と述べた。

外国為替市場ではドルが下げ幅を縮小。一時は主要通貨の大半に対して下落していた。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%安。ユーロは対ドルで0.2%高の1ユーロ=1.2327ドル。ドルは対円では0.3%高の1ドル=103円04銭。
ニューヨーク原油先物相場は続伸。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物2月限は70セント(1.4%)高の1バレル=50.63ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は70セント高の54.30ドル。
早い時間には米原油在庫の減少などを示す週間統計が相場の追い風となった。ただ取引終盤には、米連邦議会議事堂にトランプ大統領を支持するデモ隊が突入したことを嫌気し、上げ幅を縮小した。
ニューヨーク金先物相場は大幅反落。株式相場と国債利回りが上昇し、利子を生まない金への需要が後退した。前日までは5営業日連続で値上がりしていた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は2.3%安の1オンス=1908.60ドルで終了。
原題:Stocks Hold Gains After Capitol Chaos Halts Surge: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Pares Losses Amid Protests in Capitol Hill: Inside G-10(抜粋)
Oil Pares Gains With U.S. Capitol Protests Shaking Risk Appetite(抜粋)
Gold’s New Year Rally Loses Momentum as Equities, Yields Advance(抜粋)