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ソフトバンクG孫社長、出資先6社のIPOで今年も視界良好

  • 昨年はアリババやTモバイルなど投資先企業の株式を大胆に売却
  • 滴滴出行、クーパン、トコペディアなどが年内の上場を計画

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ソフトバンクグループは今年、出資先企業のうち少なくとも6社の上場に向け準備を進めている。昨年、同社の時価総額はドットコム・バブル期以来の水準まで回復したが、今年も孫社長の強勢は続きそうだ。

SoftBank Group President Masayoshi Son Keynote Address at The JCI World Congress

孫正義社長

  事情に詳しい関係者は匿名を条件に、同社の投資先で2021年中に新規株式公開(IPO)を計画している企業には、韓国の電子商取引大手クーパンやインドネシアのネット通販大手トコペディア、中国の配車サービス滴滴出行などが含まれていることを明らかにした。20年のドアダッシュや貝殻找房(KEホールディングス)の上場に続き、孫氏はこれらのIPOでも巨額の利益を得る可能性がある。

  昨年前半のソフトバンクGの事業環境は必ずしも良くなかった。米ウィーワークの問題に始まり、新型コロナウイルスの感染拡大による株価急落を受けた約1兆9000億円のビジョン・ファンドの損失計上などで暗雲が覆った。

  だが、これまで順調に成長した企業の売却に消極的だった同社は、アリババ・グループ・ホールディングTモバイルUS、傘下の国内通信会社ソフトバンクといった優良資産の売却に舵を切った。500億ドル以上の調達資金を利用して積極的に自社株買いを実施すると、株価は2000年以来の水準まで上昇した。

  IPOに対する需要は根強く、100社を超えるソフトバンクGの投資先企業の見通しも改善している。そのため自社株買いの継続、あるいはソフトバンクGの非公開化に向けて、孫氏はより多くの出資先企業の株式公開を計画する可能性もある。

  ユナイテッド・ファースト・パートナーズのアジア調査責任者ジャスティン・タン氏(シンガポール在勤)は「ソフトバンクGが資産のマネタイズに意欲的でないという懸念は過去のもの」としたうえで、「孫氏はうまくウィーワークでの汚名を返上し、もう誰もその話をしない。今の話題は投資資金の回収や非上場化の見通しだ」との見方を示した。

  コロナ禍はソフトバンクGの投資先スタートアップ企業に対しさまざまな影響を与えた。在宅の傾向が強まったことで、ウィーワークやインドのホテルチェーン、オヨ・ホテルズアンドホームズでは減損計上を余儀なくされた。一方で、ネット通販や宅配サービスを手掛ける企業の見通しは明るくなっている。 

今年上場を計画しているソフトバンクGの出資先

企業名推定評価額出資比率
アウトアインス60億ドル以上20%
バイトダンス約1800億ドル3%
クーパン300億ドル以上37%
滴滴出行600億ドル以上20%
ポリシーバザー35億ドル以上15%
トコペディア100億ドル25%

出所:ブルームバーグ、クランチベース

  投資先企業のうち最も上場が近そうなのがトコペディアだ。インドネシア最大のショッピングモールを運営する同社は先月、上場計画を加速させるため米モルガン・スタンレーと米シティグループを助言役に起用したと発表している。

  トコペディアは、上場前に配車サービスのゴジェックと合併することについて協議を進めている。これとは別に、香港の富豪の李沢楷(リチャード・リー)氏とピーター・ティール氏が支援する特別買収目的会社(SPAC)のブリッジタウン・ホールディングスと合併して上場することについても検討している。

  いずれのシナリオでも同社の評価は約100億ドルになる可能性がある。関係者の1人は、ビジョン・ファンドは同社株の約4分の1を保有しているが、取得額は10億ドルに満たないと話した。

原題:SoftBank’s Son Is Poised for Another IPO Windfall in 2021 (抜粋)

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