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ラグビー界から金融業界に復帰、ストームハーバー証が渡瀬氏を起用

「緊張しますね。少し居心地が悪いというか」。2020年までラグビーの国際リーグ「スーパーラグビー」に参加していた日本チーム、サンウルブズの運営会社ジャパンエスアールの渡瀬裕司最高経営責任者(CEO)はそう打ち明ける。雑居ビルからオフィス街の高層ビルへ。6年ぶりに金融の世界に戻ってきた。

Ex-UBS Banker Battling to Keep Japan's Sunwolves Alive in Super Rugby

渡瀬氏(2019年6月)

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  独立系のストームハーバー証券は1日付で、渡瀬氏(57)を戦略推進担当のマネージング・ディレクターとして起用した。チーム自体は昨年8月に解散しており、渡瀬氏は同証に仕事の軸足を移す。一方、ラグビー関連では新たにトップリーグ加盟のパナソニックワイルドナイツの戦略推進ディレクターとして、地域連携など主にグラウンド外でのチーム強化を担うことになった。

  同証マネージング・ディレクターの野口史朗氏は「顧客企業から遊休地に競技スタジアムを作りたいという話があり、そういうところにも渡瀬氏の知見が生かせる」と期待する。

  渡瀬氏は以前、米シティグループ、スイスUBSの日本拠点で個人の資産運用などを手掛けるプライベート・バンカーとして活躍したが、ラグビーチームでの経験を経て国内の中小企業の資金調達を支援したいと考えるようになったという。

  プロスポーツの大きな収入源はチケットの売り上げだが、天候や成績不振などによる影響を手堅く見積もったつもりでも、想定通りにならないことがしばしば起こる。昨年には予想もしなかったコロナ禍でシーズンが途中で打ち切りになった。

  サンウルブズでは自らの減棒はもちろん、身を切る思いで選手の減給やスタッフの削減を言い渡さざるを得なかった。金策に頭を悩ませながら、同じような苦境に直面する中小企業が日本中にあると思い勇気づけられたと話す。

  同証での業務は今後詰めるが、中小企業を含む顧客の資金調達やビジネスマッチングにつながるアイデアを出していきたい考えだ。例えばスイスのサッカーチームFCバーゼルは、本拠地のスタジアムに高齢者施設を併設して収益を補完するとともに、お年寄りが刺激を受けることができる地域社会づくりに取り組んでいるという。スタジアム建設資金の調達では、こういった海外の事例が参考になると指摘した。

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