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世銀、今年の世界成長率4%に下方修正-先進国の感染再拡大が重し

  • 21年の世界成長率予想を昨年6月時点の4.2%から4%に引き下げた
  • 景気回復の短期的見通しは「並外れた不確実性」を伴うと世銀

第2次大戦後で最も深刻なリセッション(景気後退)からの世界経済の今年の回復は、先進国での新型コロナウイルス感染再拡大で、従来の想定よりやや鈍くなる見通しだ。世界銀行が5日公表した半期に1度の世界経済見通し(GEP)で予測した。

  2021年の世界経済の成長率は4%と、昨年6月時点の予想(4.2%)を下回り、22年は3.8%成長となる見込み。世銀は米国とユーロ圏の成長率予想を下方修正し、中国の成長率は1ポイント引き上げ7.9%とした。

  20年成長率をマイナス4.3%と見込む世銀は、景気回復の短期的見通しが「並外れた不確実性」を伴うと指摘。各国政府がビジネス環境や教育、生産性を改善させない限り、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の影響で、世界経済の成長率が向こう10年にわたり押し下げられる恐れがあるとした。

  マルパス世銀総裁はGEPの序文で、「なお脆弱(ぜいじゃく)な今の景気回復に弾みをつけ、力強い成長を確実に定着させようとしている政策担当者は、公衆衛生や債務管理、予算政策、構造改革の分野で大変な課題に直面している」との認識を示した。  

Global Bounceback

The economy is predicted to rebound from its worst slump since World War II.

Source: World Bank

  世銀によれば、コロナ禍で数百万人が貧困に陥り、新興国や開発途上国の約4分の1で、所得の伸びの少なくとも10年分が失われたが、ワクチン接種の好影響で今年と来年は信頼感と消費、貿易が押し上げられると期待される。

  ただ、見通しにはなお多くのリスクがあるとした上で、新たな感染拡大やワクチン接種の遅れ、多額の債務を抱える中での財政逼迫(ひっぱく)、失業とビジネス活動停止の長期化を挙げた。また、長引く景気低迷が経営破綻の引き金となり、金融危機に火を付ける危険もあると警告した。

Bouncing Back

Emerging markets will continue to outpace advanced economies

Source: World Bank

  世銀はまた、20年の新興国および途上国による政府借り入れの国内総生産(GDP)比率が、1980年代後半の債務危機以降で最も大きい9ポイント上昇となった可能性が高いと分析し、国際社会が債務負担軽減に協力する必要があると訴えた。

  さらに新興国と途上国の今年の成長率を5%と予測する一方、新型コロナがほぼ抑制されている中国の回復を主に反映した改善だと説明。中国を除けば、パンデミックが消費と投資の重しとなる状況が続き、新興国・途上国の成長率は今年が3.4%、来年は3.6%にとどまると予想した。

2021 GDP Forecast

The World Bank predicts the global economy will grow 4% this year

Source: World Bank

  GEPの他の主なポイントは次の通り。

  • 米国の21年の成長率予想を4%から3.5%に下方修正。新たな制限や広範な感染再拡大で年初の需要は抑制される見込み
  • 厳しいロックダウン(都市封鎖)を受け、ユーロ圏の成長率予想は4.5%から3.6%に引き下げ。観光業などの落ち込みが続く公算
  • 中南米の成長率予想を2.8%から3.7%に引き上げ。制限緩和や年後半のワクチン接種加速、原油・金属価格の上昇見通しが背景にある

原題:Global Economic Outlook Dims on Virus’s Surge Ahead of Vaccines (抜粋)

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